RAIDボリューム管理ガイド - Supermicro/GIGABYTE GPU Xeon

最初に

本書の目的と構成

  • このマニュアルは さくらの専用サーバ を利用するユーザー向けの公開資料です。
    サービスを利用するユーザーが、サーバーの出荷状態や構成情報、操作するための基本的なオペレーションの知識を得る目的で公開しています。
  • マニュアルの情報は、ご利用いただくための最小限の情報提供と紹介の範囲にとどめております。
    細かな操作や最新情報、設定手順、リファレンスについては、提供元ベンダーのドキュメントやヘルプマニュアルを参照してください。
  • 一部のマニュアルで一般公開していない情報が一部含まれている場合は、アクセス制限を設けています。

サーバー操作に関する注意と免責事項

  • サーバーの操作を行うときは「十分な計画」と「検証と動作確認」を行なってください。
    このマニュアルの中で紹介するオペレーションは、慎重に計画し実行しなければならない操作が多数含まれています。
    実際のサーバー環境でオペレーションするときは「実行しても問題ないか」「実行の順番に間違いはないか」「実行経過と実行結果の出力」など、よく確認してからおこなってください。
  • 「警告」「重要」「注意」が示されている場合は、これに従って作業を行なうようにしてください。
    間違った操作によって、システムに深刻な打撃を与えてしまった場合、弊社はその責任を負いかねます。
  • サーバーのオペレーションシステム(OS)や操作コマンド、ユーティリティーの更新などにより、マニュアルに記載されている内容が使用できなかったり、実行結果が更新・変更されている場合があります。ユーティリティーやコマンドのヘルプ、公式サイト、ユーザーサイトで最新情報をご確認ください。
  • 全ての操作は、このマニュアルだけでなくユーティリティーやツールのヘルプ、ベンダーの公式ドキュメントを必ず確認してから行なってください。
  • マニュアルの内容については、さくらインターネットは如何なる責任を負うものではありません。

本書内のコマンド・出力結果例について

このマニュアル内の入力コマンドやその出力結果は、入力内容や出力結果を把握するためのサンプルです。

利用しているモデルやサーバーの環境、構成、バージョンによって出力結果が異なる場合があります。ご自身の環境で実行した結果を確認してください。

出力結果が非常に長い場合には、確認するポイント部分のみ取り出し、省略して記載しています。

/etc/sysconfig/snmpd 記入例
OPTIONS="-Lsd -Lf /dev/null -p /var/run/snmpd.pid udp:161"
コマンド入力例
# /etc/init.d/network restart
(出力結果)

参考ドキュメント・URL一覧

さくらの専用サーバ 提供サービス全般のご紹介

さくらの専用サーバ サポート

さくらの専用サーバ サポートサイトトップページ

さくらの専用サーバ コンパネ操作方法について
提供機器やOSの出荷情報、 RAIDユーティリティー、ストレージ、ネットワーク機器 利用ガイド
提供のOS・開発元 公式サイト一覧
提供のハードウェア 公式サイト一覧

対象とするサーバーモデル・ストレージコントローラー

サーバーモデル

  • さくらの専用サーバ 高火力シリーズ

    • Quad GPU(Maxwell)モデル Xeon 4Core 2CPU(16-09)

    • Tesla M40モデル Xeon 4Core 2CPU (16-09)

    • Quad GPUモデル(Pascal) Xeon 4Core 2CPU(16-12)

    • Tesla P40モデル Xeon 4Core 2CPU (16-12)

    • Tesla P100モデル Xeon 4Core 2CPU (16-12)

    • Tesla V100(16GB)モデル Xeon 4Core 2CPU(17-12)

    • Tesla V100(32GB)モデル Xeon 4Core 2CPU (18-07)

    • スタンダードモデル (20-03

ストレージ コントローラー

サーバーモデル

ストレージ
コントローラー
設定可能
RAIDレベル

Supermicro GPU Xeon 4Core 2CPU

AOC-S3008L-L8i

  • RAID0

  • RAID1

  • RAID10

  • RAID1E

GIGABYTE Dual GPU Xeon 4Core 1CPU

GBT-CRA3338-IR

  • RAID0

  • RAID1

  • RAID10

  • RAID1E

Note

  • 搭載されるストレージコントローラーはHBAです。

  • HBAの仕様上、設定可能な RAIDレベルを記載しています。サービスでサポートするボリューム構成とは異なります。

サービスでサポートするボリューム構成

弊社でサポートするボリューム構成は「RAID1」「RAID10」及び「それらの組み合わせ」です。

その他のRAIDボリュームにおいても、用途に応じて自由に構成いただいても構いませんが、動作保証外となります。 ご質問にもお答えできませんのでご了承ください。

RAIDボリューム構成の制限

さくらの専用サーバ 高火力シリーズの HBAの配下では、RAIDボリュームは2つまで構成できます。 RAIDボリュームを構成するには、2つ以上の物理ディスクを必要とします。

RAIDボリューム構成

構成可否

RAID0/1/10/1E

可能

RAID0/1/10/1E + RAID0/1/10/1E

可能

RAID0/1/10/1E + RAID0/1/10/1E + RAID0/1/10/1E

不可

Note

サーバーのモデルによっては搭載できる物理ディスクの数が異なるため、RAIDボリュームの構成に制限があります。

出荷状態

ボリューム構成

出荷時のボリューム構成は、サーバー環境によって以下のいずれかになります。

  • システム用VD構成

  • システム用VD+データ用VD構成

出荷時のサーバーのPDの種類や構成本数によって、RAID1, RAID10を構成してお渡しします。

ストレージ組み合わせ

RAIDの構成

「HDD」または「SSD」 2本 搭載

単一のVDをRAID1構成で出荷

「HDD」または「SSD」 4本以上 搭載

単一のVDをRAID10構成で出荷

「HDD」2本+「SSD」2本 搭載

それぞれのVDをRAID1構成で出荷

ディスクメニューの適用と制限

ディスクは常に以下の制限を受けます。

  • ディスクの追加は、常に 同モデルのディスク2本 からとなります。

  • 容量の異なるHDDまたはSSDを使用したRAID構成は利用できません。

  • サーバー上にHDDとSSDを混在することは可能ですが、ボリューム内での混在は利用できません。

  • RAID10の構成には最低4本の物理ディスクが必要です。

  • OSにより認識可能な記憶容量は異なります。記憶容量に認識外領域の発生する構成での出荷は行っておりません。

  • 同種のストレージ4本以上をご利用中で弊社にOS再インストール作業をご依頼いただく場合、RAID10を構成した上でインストールを行います。ただし、OSの認識外領域の発生する構成の場合にはご指定に沿えないことがあります。

新しいディスクの追加

  • 運用中のサーバーへ新しいディスクを追加したときは、RAIDを構成せずお渡しします。(物理的なディスクの接続のみ)既存のボリューム構成、OSに対して変更を加えることはありません。

  • 追加したディスクと既存のディスクで新しくRAIDレベルを変更し再構成する場合、(例:ディスク2本 RAID1→ディスク4本 RAID10) OS再インストールが必要です。

故障などによるディスクの交換とOSのインストール

  • 「ディスクの交換依頼」は、指定いただいたスロットのディスクを新しいものに交換する作業です。対象となるディスクのスロット番号を必ずご指定ください。スロット番号の確認は RAIDボリュームやPDの状態を確認する (display) をご参照ください。

  • 交換対象のストレージに「有償のOS」を格納している場合、OS再インストールを無償で承ります。

  • 交換対象のストレージに「無償のOS」を格納している場合、RAIDボリューム構成、OS再インストールは、コントロールパネルからお客様ご自身で行ってください。 RAIDボリュームの構成手順は、本書の RAIDボリュームを構成する(create) をご参照ください。

  • 交換後に複数種類のストレージをご利用になる場合はOSのインストール先となるストレージをご指定ください。

  • OSを含まないディスク交換の場合、RAID構成作業はお客様でおこなってください。

ディスクの解約

  • 「ディスクの解約」はご指定いただいたスロットから物理的にディスクを取り外す作業となります。 対象となるディスクのスロット番号を必ずご指定ください。スロット番号の確認は RAIDボリュームやPDの状態を確認する (display) をご参照ください。

  • ディスク切断後のボリューム構成の変更等がシステムに与える影響に対して弊社は関知いたしません。ご依頼の際は充分にご注意ください。

  • 有償OSを格納したディスクを解約された際に、他のご契約ディスクが存在する場合にはOS再インストールを無償で承ります。

  • 有償OSを格納したディスクを解約された際には、ご契約ディスクのスロット位置とRAID構成は初期出荷状態に準じた構成へと変更させていただきます。

  • 無償OSを格納したディスクを解約された際には、ご契約ディスクのスロット位置を初期出荷状態に準じた構成へと変更させていただきます。新たにOSのインストール先となるディスクはスロット0を含んだ状態になります。

RAID管理ユーティリティー

OSが導入されていればCLIツール「sas3ircu」、OSが導入されていない場合でも「BIOSベースのセットアップユーティリティー」からRAIDボリュームの構成が可能です。

SAS3IRCU (CLI)

「sas3ircu」 コマンドラインインタフェース(CLI)を通じてRAIDボリュームを操作するユーティリティーです。 コントローラーの識別番号を指定してステータスを確認したり、ボリュームを構成することができます。

基本構文
$ sas3ircu [Controller Index] <command> <parameters>
コマンドリファレンス

コマンドラインヘルプ

sas3ircu help

コントローラー情報の表示

sas3ircu list

PDの情報の表示

sas3ircu [Controller Index] display

コントローラーインデックスを確認する (list)

「list」でコントローラーインデックスが確認できます

$ sas3ircu list
Avago Technologies SAS3 IR Configuration Utility.
Version 11.00.00.00 (2015.08.04)
Copyright (c) 2009-2015 Avago Technologies. All rights reserved.


         Adapter      Vendor  Device                       SubSys  SubSys
 Index    Type          ID      ID    Pci Address          Ven ID  Dev ID
 -----  ------------  ------  ------  -----------------    ------  ------
   0     SAS3008       1000h   97h    00h:01h:00h:00h      15d9h   0808h
SAS3IRCU: Utility Completed Successfully.

コントローラーインデックスは通常「0」となり、sas3ircuコマンドの引数として使用します。

RAIDボリュームやPDの状態を確認する (display)

「display」では、PD・ボリュームの情報やステータスなど様々な情報が得られます。 この画面から確認できる情報は以下の操作で利用します

Note

  • RAIDボリュームを構成する物理ディスクの「エンクロージャー番号」「スロット番号」もこの画面から確認できます。

  • Display結果サンプルは 付録 に収録しています。

書式
$ sas3ircu 0 display
出力例(抜粋)
IR volume 1
  Volume ID                               : 323              # (1)
  PI Supported                            : No
  Status of volume                        : Okay (OKY)
  Volume wwid                             : 0ae4edd291321a6c
  RAID level                              : RAID1
  Size (in MB)                            : 456809
  Boot                                    : Primary
  Physical hard disks                     :
  PHY[0] Enclosure#/Slot#                 : 1:0
  PHY[1] Enclosure#/Slot#                 : 1:1
<>

Device is a Hard disk
  Enclosure #                             : 1                # (2)
  Slot #                                  : 2                # (3)
  PI Supported                            : No
  SAS Address                             : 4433221-1-0200-0000
  State                                   : Ready (RDY)
  Size (in MB)/(in sectors)               : 763097/1562824367
  Manufacturer                            : ATA
  Model Number                            : INTEL SSDSC2BB80
  Firmware Revision                       : 0370
  Serial No                               : PHWL5115006G800RGN
  GUID                                    : 55cd2e404c4fc96f
  Protocol                                : SATA
  Drive Type                              : SATA_SSD

Device is a Hard disk
  Enclosure #                             : 1                # (2)
  Slot #                                  : 3                # (3)
  PI Supported                            : No
  SAS Address                             : 4433221-1-0300-0000
  State                                   : Ready (RDY)
  Size (in MB)/(in sectors)               : 763097/1562824367
  Manufacturer                            : ATA
  Model Number                            : INTEL SSDSC2BB80
  Firmware Revision                       : 0370
  Serial No                               : BTWL3104031M800RGN
  GUID                                    : 50015178f35e23af
  Protocol                                : SATA
  Drive Type                              : SATA_SSD
  • (1) ボリュームID

  • (2) エンクロージャ識別番号

  • (3) スロット識別番号

RAIDボリュームを構成する(create)

「CREATE」はRAIDアレイを構成し、仮想ディスク(ボリューム)を作成するコマンドオプションです。

RAID0/1では2台のRAID10、 RAID1Eでは最低3台のPDが必要です。

書式
sas3ircu <controller_#> create <volume_type> <size> {<Enclosure:Bay>} [VolumeName] [EnablePI] [noprompt]
パラメタ説明

<controller_#>

コントローラインデックス。コントローラの識別番号。

<volume_type>

ボリュームタイプ。指定できるのは RAID0, RAID1, RAID10, RAID1E。

<size>

仮想ディスク(ボリューム)のサイズ(MB)。最大サイズを指定する場合は「MAX」を指定する。

<Enclosure:Bay>

エンクロージャの識別番号とスロット識別番号(Bay)。対象とする 組み合わせをスペース区切りで記載する。

[VolumeName]

仮想ディスク(ボリューム)名。ユーザ指定の英数字の識別名称)

[EnablePI]

PI機能(Data Protection)を有効にする

[noprompt]

警告とプロンプトを無視する

以下の環境で仮想ディスク(ボリューム)を作成する場合の例を示します

  • コントローラインデックス:1

  • エンクロージャー番号:1

  • スロット番号:2~3 (RAID10の例では0~3)

コマンド実行例

RAID0を構成する

sas3ircu 0 create RAID0 MAX 1:2 1:3

RAID1を構成する

sas3ircu 0 create RAID1 500000 1:2 1:3

RAID10を構成する

sas3ircu 0 create RAID10 MAX 1:0 1:1 1:2 1:3 EnablePI noprompt

RAIDの構成、仮想ディスクを作成した後は、ファイルシステムの作成、パーティショニングなど必要な操作を行ってください。

RAIDボリュームの削除 (deletevolume)

「DELETEVOLUME」は指定した仮想ディスク(ボリューム)と、RAID構成を削除するコマンドラインオプションです。

コントローラー1、VD1を削除する
sas3ircu <controller_#> deletevolume <volume ID> [noprompt]
パラメタ説明

<controller_#>

コントローラインデックス。コントローラの識別番号。

<volumeID>

ボリュームID。ボリュームの識別番号

[noprompt]

警告とプロンプトを無視する

警告

仮想ディスク上のデータはすべて消去されます。

RAIDボリュームと物理ディスク状態の確認

先に紹介した RAIDボリュームやPDの状態を確認する (display) で「RAIDボリューム」「物理ディスク」の状態をそれぞれ確認できます。 出力サンプルの「Status of ~」 または 「State」行を確認してください。

正常時の状態
ボリュームの状態 出力サンプル
------------------------------------------------------------------------
IR Volume information
------------------------------------------------------------------------
IR volume 1
  Volume ID                               : 323
  PI Supported                            : No
  Status of volume                        : Okay (OKY)
  Volume wwid                             : 0ae4edd291321a6c
  RAID level                              : RAID1
  Size (in MB)                            : 456809
  Boot                                    : Primary
  Physical hard disks                     :
  PHY[0] Enclosure#/Slot#                 : 1:0
  PHY[1] Enclosure#/Slot#                 : 1:1
------------------------------------------------------------------------
  • 「Status of volume: Okay(OK)」は正常稼働していることを表しています。

物理ディスクの状態 出力サンプル
------------------------------------------------------------------------
Physical device information
------------------------------------------------------------------------
Initiator at ID #0

Device is a Hard disk
  Enclosure #                             : 1
  Slot #                                  : 0
  PI Supported                            : No
  SAS Address                             : 4433221-1-0000-0000
  State                                   : Optimal (OPT)
  Size (in MB)/(in sectors)               : 457862/937703087
  Manufacturer                            : ATA
  Model Number                            : Micron_M500DC_MT
  Firmware Revision                       : 0144
  Serial No                               : 15321067CB8C
  GUID                                    : 500a07511067cb8c
  Protocol                                : SATA
  Drive Type                              : SATA_SSD
  • 「State : Optimal (OPT)」は正常稼働していることを表しています。

異常時の状態

ディスク故障などの異常が発生時には以下のようにステータス表示が変わります。

  • 物理ボリュームの状態 / 物理ディスクの状態

    • Degraded (DGD)

Note

「Failed (FLD)」や「Missing (MIS)」といった表示の際も障害が発生している可能性があります。

RAIDボリュームの再構築(リビルド)の状態

RAIDボリュームのリビルドの時は、ステータス表示は以下のようになります。

  • ボリュームの状態

    • Degraded (DGD)

  • 物理ディスクの状態

    • Rebuilding (RBLD)

Avago Technologies Config Utility (GUI)

「Avago Technologies Config Utility」はBIOSベースのグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)です。 OSがインストールされていなく手も起動することができます。

ここではシステム用VDとは別に2つ目のRAIDボリュームを構成する手順を紹介します。

基本的な操作方法

項目の移動/選択には矢印キーを使い、目的の項目を以下のように選択状態(グレーのハイライト)にした上でEnterを押すことで選択ができます。各設定項目で可能な操作については画面下部に表示されます。

_images/image01.png

各設定項目で可能な操作については画面下部に表示されます。

_images/image02.png

Avago Technologies Config Utilityの起動と終了

Avago Technologies Config Utility の起動
  1. サーバーの電源を入れ、リモートコンソールより起動画面を表示します。

  2. 起動画面中の以下が表示されている間に<Ctrl>+<C>キーを押下します。

Press Ctrl-C to start Avago Config Utility
  1. 設定画面が起動すると「Adapter List」画面が表示されます。

_images/image03.png
Avago Technologies Config Utilityの終了
  1. 「Esc」を複数回押しExit Menuから「Exit the Configuration Utility and Reboot」を選択することでユーティリティーが終了し、サーバーが再起動します。

_images/image04.png

ボリュームや物理ディスクの状態を確認する

「Avago Technologies Config Utility」では SAS TopologyやView Volume画面でPDやボリュームの情報が確認できます。

以下のSAS Topologyの例ではHBA配下にPDが4つ存在しており、そのうちのSlot0、Slot1の2つのPDでRAID1 VOL(Volume)が構成されていることが読み取れます。

_images/image163.png

SAS Topology

以下のView Volumeの例では、各PDとSlot番号(Slot Num)が表示されています。 ここではVD(Volume 1)がSlot0とSlot1のディスクで構成されていることが読み取れます。

_images/image173.png

View Volumeの表示

RAIDボリュームを作成する

RAIDボリュームの作成方法は以下の通りです

  1. 「Adapter List」から操作対象のコントローラーを選択します。

_images/image05.png
  1. 「Adapter Properties」画面に遷移するので「RAID Properties」を選択します。
    ※ HBA配下に既にRAIDボリュームが2つ存在する場合、「RAID Properties」の選択で「View Volume」画面へと遷移します。
    _images/image06.png
  2. 「Select New Volume Type」から作成したいRAIDレベルを選択します。ここでは「RAID1」を選択します。

_images/image07.png
  1. 認識されているPDが表示されます。
    RAIDを構成したいPDのRAID Disk項目をハイライトしSpaceキーを押下しRAID Disk項目を[Yes]とします。
    _images/image08.png
  2. PD上に何らかのデータが存在する場合、データ消去が行われる警告表示があります。Enterキーで先に進みます。

_images/image182.png
  1. 新たにRAIDを構成するディスク全てのRAID Disk項目が「Yes」となっていることを確認します。

_images/image09.png
  1. 「c」キーを押下するとボリューム作成の確認画面が表示されます。「Save changes then exit this menu」を選択します。

_images/image103.png
  1. RAIDの構成が完了するとAdapter Properties画面に戻ります。「SAS Topology」などの表示を確認します。

_images/image113.png

RAIDボリュームの削除

  1. 「Adapter List」から対象のコントローラーを選択します。

_images/image03.png
  1. 「Adapter Properties」画面に遷移するので「RAID Properties」を選択します。

_images/image06.png

※HBA配下に既にRAIDボリュームが2つ存在する場合、「RAID Properties」の選択で「View Volume」画面へと遷移します。

  1. 「View Existing Volume」を選択します

_images/image122.png
  1. 構成されたボリュームの情報が表示されるのでAlt+Mキーで削除するボリューム情報の表示画面へ遷移し、「Manage Volume」を選択します。

_images/image133.png
  1. 「Delete Voluem」を選択します。

_images/image142.png
  1. 警告画面が表示されますので、Yを入力することで削除が実行されます。

_images/image153.png

パーティショニング/フォーマット/マウント

本項はRAIDボリュームとして構成されたデータ用VD(Volume)をOSから利用するための手順となります。 Linux系OSで利用する手順を中心に紹介しています。異なるOSを利用する場合は ベンダー提供のヘルプを参照ください。

パーティション

パーティション操作ツール

取り扱うパーティションテーブルにより「fdisk」「parted」を使用します。

ディスク容量

パーティションテーブル

コマンド

2TiB超える

GPT

parted

2TiB以内

MS-DOS

fdisk

fdiskの操作

VDデバイス情報の確認

情報を表示するコマンドはオプション「-l」を付与して実行します。 OSのインストールされた/dev/sda とは別に、パーティションの作成されていない/dev/sdbが存在することを確認できます。

# fdisk -l

Disk /dev/sda: 239.4 GB, 239444426752 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 29110 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x00035ee5

   Device Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/sda1   *           1          32      256000   83  Linux
Partition 1 does not end on cylinder boundary.
/dev/sda2              32        1052     8192000   82  Linux swap / Solaris
/dev/sda3            1052       29111   225383424   83  Linux

Disk /dev/sdb: 599.6 GB, 599550590976 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 72891 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x0000f54a
()
パーティションの作成

「fdisk」の「p」でパーティションを作成できます。

Note

  • 「設定ディスクへの書込み」操作を行うまでは実行されません。中断するときは 「q」を入力します。

  • 「msdos(MBR)」では、開始セクタを指定しない場合、ディスクの先頭 63セクタ = 31.5kiBから作成されます。

# fdisk /dev/sdb
...
...
Command (m for help): p                  # (1)

Disk /dev/sdb: 599.6 GB, 599550590976 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 72891 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x0000f54a

   Device Boot      Start         End      Blocks   Id  System

Command (m for help): n                  # (2)
Command action
   e   extended
   p   primary partition (1-4)
p                                        # (3)
Partition number (1-4): 1                # (4)
First cylinder (1-72891, default 1): 1   # (5)
Last cylinder, +cylinders or +size{K,M,G} (1-72891, default 72891):72891  # (6)

Command (m for help):  p

Disk /dev/sdb: 599.6 GB, 599550590976 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 72891 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x0000f54a

   Device Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/sdb1               1       72891   585496926   83  Linux

Command (m for help): w                  # (7)
The partition table has been altered!

(以降省略)
  • (1) パーティションの表示

  • (2) 新しいパーティションの作成

  • (3) primaryを指定

  • (4) パーティション番号を指定

  • (5) パーティションの開始位置を指定

  • (6) パーティションの終了位置を指定

  • (7) 設定のディスクへの書込み

表示をセクタに変更する場合は「u」を入力します。

Command (m for help): u   # (1)
Changing display/entry units to sectors

Command (m for help): n   # (2)
Command action
   e   extended
   p   primary partition (1-4)

(以降省略)
  • (1) セクタ表示

  • (2) 新しいパーティションの作成

パーティションの削除

「fdisk」の「d」でパーティションを削除することができます。

# fdisk /dev/sdb

Command (m for help): p

Disk /dev/sdb: 599.6 GB, 599550590976 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 72891 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x00000000

   Device Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/sdb1               1       36446   292752463+  83  Linux
/dev/sdb2           36447       72891   292744462+  83  Linux

Command (m for help): d                   # (1)
Partition number (1-4): 2                 # (2)

Command (m for help): p

Disk /dev/sdb: 599.6 GB, 599550590976 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 72891 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x00000000

   Device Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/sdb1               1       36446   292752463+  83  Linux

Command (m for help): w                    # (3)
The partition table has been altered!

Calling ioctl() to re-read partition table.
  • (1) パーティションの削除

  • (2) パーティション番号の指定

  • (3) 設定の書き込み

Note

ここでは、/dev/sdbに存在する2つのパーティションのうち、/dev/sdb2を削除しています

作成したパーティションを確認する

/proc/partitionsファイルを開いて確認します。

# cat /proc/partitions
major minor  #blocks  name

   8        0  233832448 sda
   8        1     256000 sda1
   8        2    8192000 sda2
   8        3  225383424 sda3
   8       16  585498624 sdb
   8       17  585496926 sdb1

partedの操作

「parted」コマンドによるパーティションの操作について紹介します。

警告

partedコマンドは、fdiskと異なり、ほぼすべての処理がコマンド実行と同時に行われます。データの消去を伴う重要なオペレーションがありますが、多くの場合 確認画面なく実行されます。

VDデバイス情報の確認

パーティション情報を表示するコマンドはオプション「-l」を付与して実行します

# parted -l
Model: DELL PERC H700 (scsi)
Disk /dev/sda: 239GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: msdos

Number  Start   End     Size    Type     File system     Flags
 1      1049kB  263MB   262MB   primary  ext4            boot
 2      263MB   8652MB  8389MB  primary  linux-swap(v1)
 3      8652MB  239G   231GB   primary  ext4


Model: DELL PERC H700 (scsi)
Disk /dev/sdb: 600GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: msdos

Number  Start   End    Size   Type     File system  Fla
パーティションの作成

パーティション作成方法を紹介します。 ここでは4TBのパーティションが作成されています。

# parted -s /dev/sdb mklabel gpt                   # (1)
# parted -s /dev/sdb mkpart primary 1M -- -1       # (2)
# parted -s /dev/sdb print free
Model: DELL PERC H700 (scsi)
Disk /dev/sdb: 4000GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: gpt                               # (3)

Number  Start   End     Size    File system  Name     Flags
        17.4kB  1049kB  1031kB  Free Space
 1      1049kB  4000GB  4000GB  ext4        primary
        4000GB  4000GB  1032kB  Free Space
  • (1) /dev/sdbにgptラベルを付加

  • (2) /dev/sdbに容量全てを使用する単一のパーティションを作成する。ディスクの先頭と末尾にGTPテーブルが利用するスペースが1MB確保されます。

  • (3) GPTが確認できます。

重要

mklabelを用いてパーティションテーブルを変更する際、以前のパーティション情報、データは全てクリアされます。 既に他のパーティションテーブルが付加されている場合は警告が表示されます。

Warning: The existing disk label on /dev/sdb will be destroyed and all data on this disk will be lost. Do you want to continue?
Yes/No?

Note

パーティションが適切な位置で開始されない場合、警告を表示します。

# parted -s /dev/sdb mkpart primary 1000s -- -1
Warning: The resulting partition is not properly aligned for best performance.
パーティションの削除

パーティションの削除方法を紹介します。ここでは/dev/sdb1を削除しています。

# parted -s /dev/sdb rm 1

フォーマット(ファイルシステムの作成

ファイルシステムの作成手順を紹介します。 ここでは新たに作成した/dev/sdb1に対してext4ファイルシステムを作成しています。

# mkfs.ext4 /dev/sdb1
mke2fs 1.41.12 (17-May-2010)
Filesystem label=
OS type: Linux
Block size=4096 (log=2)
Fragment size=4096 (log=2)
Stride=0 blocks, Stripe width=0 blocks
36593664 inodes, 146374231 blocks
7318711 blocks (5.00%) reserved for the super user
First data block=0
Maximum filesystem blocks=4294967296
4467 block groups
32768 blocks per group, 32768 fragments per group
8192 inodes per group
Superblock backups stored on blocks:
        32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208,
        4096000, 7962624, 11239424, 20480000, 23887872, 71663616, 78675968,
        102400000

Writing inode tables: done
Creating journal (32768 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done

This filesystem will be automatically checked every 33 mounts or
180 days, whichever comes first.  Use tune2fs -c or -i to override.

マウント

ファイルシステムをマウントする

ファイルシステムをマウントする手順を紹介します。ここでは、/extを作成し、マウントしています。

# mkdir /ext
# mount /dev/sdb1 /ext

mountコマンド、dfコマンドで、マウント状態を確認できます。

# mount -l
/dev/sda3 on / type ext4 (rw)
proc on /proc type proc (rw)
sysfs on /sys type sysfs (rw)
devpts on /dev/pts type devpts (rw,gid=5,mode=620)
tmpfs on /dev/shm type tmpfs (rw)
/dev/sda1 on /boot type ext4 (rw)
none on /proc/sys/fs/binfmt_misc type binfmt_misc (rw)
/dev/sdb1 on /ext type ext4 (rw)
# df /ext
Filesystem           1K-blocks      Used Available Use% Mounted on
/dev/sdb1            576310180    202304 546833032   1% /ext

マウント設定の保存

コマンドでマウントした情報は再起動とともに失われてしまうため、設定ファイルに保存する必要があります。

以下はLinux系OSの設定サンプルとなります。ご利用のOSのヘルプなどを参照し適切に設定ください。

RHEL5系
# vi /etc/fstab

/dev/sdb1  /ext ext3 defaults 1 1
RHEL6系OS、RHEL7系OS、Ubuntu系OS
# blkid /dev/sdb1 (UUIDを取得する)
/dev/sdb1: UUID="*7a425772-8bd4-4aca-93a7-52ad6dc53acc*" TYPE="ext4"

# vi /etc/fstab
UUID=**7a425772-8bd4-4aca-93a7-52ad6dc53acc** /ext ext4 defaults 1 1

RAIDイベント通知

ここで紹介したRAID管理ツールにはデバイスやボリュームのステータス変化などをカーネルログに出力する機能がありません。 syslogを用いたログ管理を行いたい場合、MSM(MegaRAID Storage Manager)等のソフトウェアが必要です。

MSM(MegaRAID Storage Manager)に関するさらに詳しい情報は、提供ベンダーサイトをご確認ください

付録

SAS3IRCU: display表示サンプル

Avago Technologies SAS3 IR Configuration Utility.
Version 11.00.00.00 (2015.08.04)
Copyright (c) 2009-2015 Avago Technologies. All rights reserved.
Read configuration has been initiated for controller 0
------------------------------------------------------------------------
Controller information
------------------------------------------------------------------------
  Controller type                         : SAS3008
  PI Supported                            : Yes
  PI Mixing                               : Disabled
  BIOS version                            : 8.25.00.00
  Firmware version                        : 10.00.00.00
  Channel description                     : 1 Serial Attached SCSI
  Initiator ID                            : 0
  Maximum physical devices                : 255
  Concurrent commands supported           : 3072
  Slot                                    : 11
  Segment                                 : 0
  Bus                                     : 1
  Device                                  : 0
  Function                                : 0
  RAID Support                            : Yes
------------------------------------------------------------------------
IR Volume information
------------------------------------------------------------------------
IR volume 1
  Volume ID                               : 323                         # (1)
  PI Supported                            : No
  Status of volume                        : Okay (OKY)                  # (2)
  Volume wwid                             : 06c8c61dadd635a1
  RAID level                              : RAID1
  Size (in MB)                            : 456809
  Physical hard disks                     :
  PHY[0] Enclosure#/Slot#                 : 1:0                         # (3)
  PHY[1] Enclosure#/Slot#                 : 1:1                         # (3)
------------------------------------------------------------------------
Physical device information
------------------------------------------------------------------------
Initiator at ID #0
Device is a Hard disk※1
  Enclosure #                             : 1                           # (4)
  Slot #                                  : 0                           # (5)
  PI Supported                            : No
  SAS Address                             : 4433221-1-0000-0000
  State                                   : Optimal (OPT)               # (6)
  Manufacturer                            : ATA
  Model Number                            : Micron_M500DC_MT
  Firmware Revision                       : 0144
  Serial No                               : 1530102B0F88
  GUID                                    : 500a0751102b0f88
  Protocol                                : SATA
  Drive Type                              : SATA_SSD
Device is a Hard disk※1
  Enclosure #                             : 1                           # (4)
  Slot #                                  : 1                           # (5)
  PI Supported                            : No
  SAS Address                             : 4433221-1-0100-0000
  State                                   : Optimal (OPT)               # (6)
  Size (in MB)/(in sectors)               : 457862/937703087
  Manufacturer                            : ATA
  Model Number                            : Micron_M500DC_MT
  Firmware Revision                       : 0144
  Serial No                               : 15321067C174
  GUID                                    : 500a07511067c174
  Protocol                                : SATA
  Drive Type                              : SATA_SSD
------------------------------------------------------------------------
Enclosure information
------------------------------------------------------------------------
  Enclosure#                              : 1
  Logical ID                              : 50030480:198efd01
  Numslots                                : 8
  StartSlot                               : 0
------------------------------------------------------------------------
SAS3IRCU: Command DISPLAY Completed Successfully.
SAS3IRCU: Utility Completed Successfully.
  • (1) ボリューム番号

  • (2) ボリュームの状態

  • (3) ボリュームを構成する物理ディスク

  • (4) エンクロージャー識別番号

  • (5) スロット(Bay)識別番号

  • (6) 物理ディスクの状態