モニタリングスイート
[更新日:2025年7月24日]
サービス基本情報
概要
モニタリングスイートは、システム監視を行うためのプラットフォームです。さくらのクラウド・その他のクラウド・オンプレ等の多様な環境を一元管理し、可視化することができます。
本サービスは現在、β版機能として提供しております。
用語説明
ログストレージ・メトリクスストレージ
モニタリングスイートのデータを蓄積するためのストレージです。ログストレージはログデータを、メトリクスストレージは数値データを保存します。 ストレージ毎にアクセス制御やデータ保持ポリシーが異なるため、用途に応じてストレージを使い分けることを想定しています。
ログルーティング・メトリクスルーティング
さくらのクラウドの各種サービスからのログやメトリクスを、モニタリングスイートのストレージに送信するための設定です。
アラートプロジェクト
アラートプロジェクトは、アラートの設定を管理するための単位です。アラートルールを定義し、メトリクスの状態に基づいて通知を行います。
ユーザ領域・システム領域
モニタリングスイートでは、ログ・メトリクスのストレージ領域を「ユーザ領域」と「システム領域」に分けています。
ユーザ領域
お客様が設定したログ・メトリクスを保存する領域です。ユーザが自由に作成・管理できます。
課金が始まった際には課金対象となります。
システム領域
さくらのクラウドが提供する機能のログ・メトリクスを保存する領域です。ユーザが直接操作することはできません。
無料で提供され、課金対象にはなりません。
機能説明
モニタリングスイートは、以下の機能を提供します。
機能名 |
内容 |
---|---|
メトリクス |
システムの状態を数値で表現したデータを蓄積し、クエリできます。 |
ログ |
システムのログを収集し、検索や可視化ができます。 |
可視化 |
メトリクスをダッシュボードで可視化します。 |
アラート |
メトリクスの内容を監視し、閾値を超えた場合に通知を行います。 |
仕様・制限
正式サービス開始時の仕様・制限については、別途お知らせいたします。
ストレージ機能の制限は以下の通りとなります。
項目 |
メトリクスストレージ |
ログストレージ |
---|---|---|
保存期間 |
40日 |
30日 |
ストレージあたりの保存上限 |
1GB程度 |
100GB程度 |
1アカウントあたりの作成数 |
5 |
5 |
書き込みレート制限 |
1時間あたり5,000の新規Series |
1秒あたり50リクエスト・1,000行の書き込み |
クエリレート制限 |
1時間あたり10,000回のクエリ |
1分あたり100回のクエリ |
送信プロトコル |
Prometheus Remote Write |
OpenTelemetry Protocol (OTLP/HTTP) |
読み出しプロトコル |
Prometheus HTTP API |
サポートなし |
保管場所 |
石狩リージョン |
石狩リージョン |
アラート機能の制限は以下の通りとなります。
項目 |
内容 |
---|---|
プロジェクト作成数 |
5 |
ダッシュボード機能の制限は以下の通りとなります。
項目 |
内容 |
---|---|
ダッシュボード作成数 |
5 |
β版における注意事項と制限事項
ご利用いただく前に、以下の点にご注意ください。
モニタリングスイートβ版では、正式サービスに向けての動作検証やお客様フィードバックによるご意見・ご要望を集積する目的での実施となります。
サービス内容については予告なく変更または廃止する可能性があります。
正式サービス化を保証するものではなく、品質保証(SLA)の適用対象外です。
正式サービス化された際に、β版からデータの移行が行われない可能性があります。
サポートは限定的となり、利用状況によっては一時的に利用が制限される場合があります。
利用者に告知なく、運用上の理由から当社の裁量で本サービス内に蓄積されたデータの一部を削除する事があります。
料金体系
β版では無料でご利用いただけます。正式サービス化された際の料金体系については、別途お知らせいたします。
クイックスタート
手順1 リソースの作成
1.メトリクス・ログの蓄積を行うストレージ、可視化ダッシュボードの管理単位のプロジェクト、アラート設定の管理単位のプロジェクトは、それぞれクラウドのコントロールパネルで作成します。
2.左側メニュー「モニタリングスイート」カテゴリ内にある「ログストレージ」「メトリクスストレージ」「アラート」「可視化サービス」を選択します。右側に作成済みのリソースがある場合はリスト表示されます。新規に作成する場合は「追加」ボタンをクリックします。
3.最初にメトリクスストレージ・ログストレージを作成する際には、「システム領域」の作成となり、それ以降は「ユーザ領域」の作成となります。システム領域には、さくらのクラウドが提供する機能のログ・メトリクスのみが蓄積されます。ユーザ領域には、お客様が設定したログ・メトリクスが蓄積されます。
手順2 利用・設定
手順2-1 メトリクスの送信・クエリ設定
1.メトリクスストレージへお客様のシステムからメトリクスを送信するための設定を行います。
送信する際に利用可能なソフトウェアは、Prometheusです。
2.メトリクスを書き込む際のアクセスキーをコントロールパネルから取得します。
3.追加したメトリクスストレージを選択し、詳細画面を表示します。
4.「アクセスキー」タブを選択し、必要に応じて追加します。
アクセスキーの詳細画面には、以下のようなPrometheusの設定例が表示されます。
remote_write:
- url: "https://**********.metrics.monitoring.global.api.sacloud.jp/prometheus/api/v1/write"
basic_auth:
username: "**********"
password: "********************"
Grafanaなどのユーザが用意した監視ツールからクエリを行いたい際は、以下のような設定を行います。
Prometheusのデータソースを追加
URLに https://****.metrics.monitoring.global.api.sacloud.jp/prometheus/ を指定
認証方法としてBasic認証を選択し、ユーザ名とパスワードを入力
手順2-2 ログの送信設定
1.ログストレージへお客様のシステムからログを送信するための設定を行います。
送信する際に利用可能なソフトウェアは、fluentbitです。
2.ログを書き込む際のアクセスキーをコントロールパネルから取得します。
3.追加したログストレージを選択し、詳細画面を表示します。
4.「アクセスキー」タブを選択し、必要に応じて追加します。
アクセスキーの詳細画面には、以下のようなfluentbitの設定例が表示されます。
[OUTPUT]
Name opentelemetry
Match *
Host 00000.logs.monitoring.global.api.sacloud.jp
Port 443
Tls On
Logs_URI /v1/logs
Header Authorization Basic **********
手順3 Web UIの操作
ログストレージ・アラートプロジェクト・可視化プロジェクトの詳細画面には、それぞれ詳細を確認するための画面への遷移リンクが表示されます。
手順3-1 ログの確認方法
1.上部の「Log Storage」メニューから対象のストレージを選択し、「refresh」ボタンを押下することでログの一覧が表示されます。
2.左メニューの「Search words」に検索キーワードを入力することで、テキストフィールドの絞り込みが可能です。
手順3-2 アラートの確認・ルール設定
1.プロジェクトを選択すると、アラートの一覧が表示されます。
2.「ルール一覧」ボタンを押下すると、設定中のアラートルールの一覧が表示されます。
ルール詳細画面では、ルールに関連する直近のアラート履歴を確認できます。
3.ルール一覧画面の「ルール追加」ボタン・ルール詳細画面の「ルール編集」ボタンから、対象の保存領域・ルール名・クエリ・しきい値等を入力します。
コントロールパネル操作ガイド
モニタリングスイートでは2つのコントロールパネルを利用します。
さくらのクラウドコントロールパネル
モニタリングスイートのリソース作成や設定を行うためのコントロールパネルです。
モニタリングスイート専用Web UI
モニタリングスイートのリソースの詳細設定やモニタリングスイートに蓄積されたデータの確認を行うためのWeb UIです。
ストレージ作成
ログストレージ・メトリクスストレージは、同様の手順で作成・管理が行えます。
さくらのクラウドコントロールパネルにログインし、左側メニューの「モニタリングスイート」カテゴリ内にある「ログストレージ」または「メトリクスストレージ」を選択します。
右上に表示される「追加」ボタンをクリックします。
なお、モニタリングスイートのストレージが1つも作成されていない場合は、以下のような一括作成ボタンが表示されます。クリックすると、「ログストレージ」と「メトリクスストレージ」にそれぞれ「システム」「デフォルト」の2つのストレージが自動作成されます。初回設定時には便利なのでご利用ください。

「ログストレージの追加」または「メトリクスストレージの追加」画面が表示されますので、必要な情報を入力します。
保存領域: 作成するストレージの種別が表示されています。最初に作成するストレージは「システム領域」となり、それ以降に作成するストレージは「ユーザ領域」となります。
名前: ストレージの名前を入力します。コントロールパネル上で表示される名前となります。
説明: ストレージの説明を入力します。コントロールパネルのストレージ詳細画面で表示される文章となります。

ストレージ一覧
ストレージの一覧は、さくらのクラウドコントロールパネルの「モニタリングスイート」カテゴリ内にある「ログストレージ」または「メトリクスストレージ」を選択することで表示されます。

ストレージ詳細・アクセスキー管理
ストレージの詳細は、ストレージ一覧から対象のストレージを選択(ダブルクリックまたは、右の下三角をクリック後に詳細ボタンをクリック)することで表示されます。
「情報」タブでは以下のようなストレージの概要情報が表示されます。

「アクセスキー」タブでは、ストレージへの書き込みに必要なアクセスキーの管理が行えます。新規にアクセスキーを追加する場合は「追加」ボタンをクリックします。

アクセスキーを選択すると、以下のような詳細情報が表示されます。
ID: アクセスキーの一意の識別子
シークレット: アクセスキーのシークレット情報
エンドポイント: アクセスキーを使用してデータを書き込む際のエンドポイントURL
設定例: 各種ソフトウェアでの設定例が表示されます。

ルーティング作成
ログルーティング・メトリクスルーティングは、さくらのクラウドの各種サービスからのログやメトリクスをモニタリングスイートのストレージに送信するための設定です。
さくらのクラウドコントロールパネルにログインし、左側メニューの「モニタリングスイート」カテゴリ内にある「ログルーティング」または「メトリクスルーティング」を選択します。
右上に表示される「追加」ボタンをクリックします。

「ログルーティングの追加」または「メトリクスルーティングの追加」画面が表示されますので、必要な情報を入力します。
連携サービス: ルーティングを行うサービスを選択します。
種別: ログ・メトリクスの種別を選択します。連携サービス毎に定義されている種別は異なります。
対象リソース範囲: 対象のリソースIDを指定するか、すべてのリソースを対象とするかを選択します。
保存先: ログまたはメトリクスを保存するストレージを選択します。

ログ閲覧
ログストレージに保管されているログは、モニタリングスイート専用Web UIから閲覧できます。
さくらのクラウドコントロールパネルにログインし、左側メニューの「モニタリングスイート」カテゴリ内にある「ログストレージ」または「メトリクスストレージ」を選択します。
対象のログストレージを選択し、詳細画面を表示します。
「内容を閲覧」ボタンをクリックします。これにより、モニタリングスイート専用Web UIが開きます。

「クエリ画面を開く」ボタンをクリックします。これにより、ログのクエリ画面が表示されます。
画面上で検索条件を指定して、「検索」ボタンをクリックします。
ログストレージ: リソースIDと名前が表示されます。対象のログストレージを選択します。
対象期間: 検索する期間を指定します。デフォルトでは過去3時間が選択されています。
Search words: 検索キーワードを入力します。 text_payload フィールドに対して検索が行われます。

表示されている検索結果から更に絞り込みを行う場合は、左ペインのラベルを選択し、チェックボックスをクリックします。再度「検索」ボタンをクリックすると、選択したラベルに一致するログのみが表示されます。
メトリクス閲覧
メトリクスストレージに保管されているメトリクスは、モニタリングスイート専用Web UIから閲覧できます。
さくらのクラウドコントロールパネルにログインし、左側メニューの「モニタリングスイート」カテゴリ内にある「メトリクスストレージ」を選択します。
対象のメトリクスストレージを選択し、詳細画面を表示します。
「内容を閲覧」ボタンをクリックします。これにより、モニタリングスイート専用Web UIが開きます
「メトリクスを確認する」ボタンをクリックします。これにより、メトリクスのクエリ画面が表示されます。
対象のメトリクスストレージを選択します。
クエリを入力し、「Execute」ボタンをクリックします。これにより、指定したクエリに基づくメトリクスのグラフが表示されます。
クエリ例: up{job="myjob"} など、PromQL形式でクエリを入力します。
時間範囲: デフォルトでは過去1時間が選択されています。必要に応じて変更できます。
