Ubuntu 24.04

[更新:2024年05月23日]

さくらインターネットが提供する「 さくらのVPS 」のOSセットアップ仕様は以下の通りとなります。

はじめに

さくらのVPS の標準OSインストールによって提供される「Ubuntu 24.04」での管理・運用上、有用と思われる情報を紹介しています。
実行時に十分な注意が必要とされるものも含まれています。特に実運用環境下でのオペレーションの際には、必ず注意事項に従って作業をおこなうようにしてください。
注意事項に記載があるにもかかわらず、誤った設定をおこなってしまったことによりシステムに深刻な打撃を与えてしまった場合、一切の責任を負いませんのでご注意ください。
OSのアップグレードなどにより、記載されている内容が予告なく変更される可能性があります。
記載されている内容について、さくらインターネットではいかなる責任を負うものではありません。

Note

初期ログインユーザーは「ubuntu」となります。rootではログインできませんのでご注意ください。

警告

標準OS Ubuntu 24.04 は、 512 MB プランでの提供を実施しておりません。 メモリ 1GB 以上のプランをご検討いただくか、 スケールアップ のご検討をお願いいたします。

OS基本設定

Ubuntu 24.04 のインストール内容につきましては下記の通りとなります。

インストールOS

OS

Ubuntu 24.04 amd64

パーティション

パーティション番号

マウントポイント

パーティション名

フォーマット

容量

1

/dev/vda1

bios_grubフラグ(EF02)

1024KB

2

/

/dev/vda2

ext4(8300)

vdaの残り(各プラン共通)

/data (※1)

/dev/vdb1

ext4

1Gプラン : 30 GB
1.5Gプラン : 80 GB
4Gプラン : 180 GB
8Gプラン : 380 GB
※1 :1.5Gおよび2012年3月29日以前に申し込まれた1G、4G、8Gのみ。2012年3月29日以降にリリースされた2Gに/dataは含まれません。

ブートローダ

OS起動に関する変更

起動時にテキストモードを使用します。

コンソール表示に関する変更

コンソールがblank状態になるのを抑止します。
カーネルのコンソールをtty0とttyS0に変更します。

ブートローダ

GRUB2(OS標準)

設定ファイル

/etc/default/grub

設定内容

GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="console=ttyS0,115200 console=tty0 noresume consoleblank=0"

ロケール

言語

C.UTF-8

タイムゾーン

Asia/Tokyo

ホスト名設定

初期状態では、hostnameをご契約された<仮想サーバーホスト名>に変更しております。
お客様のサーバー運用状況に合わせて手続き・設定をおこなってください。
名前の解決ができるようになった後は、ご利用いただくアプリケーションの設定が必要となります。

設定ファイル

/etc/hostname

設定値

ご契約の<仮想サーバーホスト名>

設定ファイル

/etc/hosts

設定内容

127.0.0.1 localhost
127.0.1.1 <仮想サーバーホスト名.ドメイン名> <仮想サーバーホスト名>

# The following lines are desirable for IPv6 capable hosts
::1     ip6-localhost ip6-loopback
fe00::0 ip6-localnet
ff00::0 ip6-mcastprefix
ff02::1 ip6-allnodes
ff02::2 ip6-allrouters

IPアドレスの設定

設定ファイル

/etc/netplan/01-netcfg.yaml

設定内容

サーバー固有のグローバルIPv4アドレス 1つ を設定(※)

network:
  version: 2
  ethernets:
    "ens3":
      gateway4: XXX.XXX.XXX.1
      nameservers:
        addresses: [210.188.224.10, 210.188.224.11]
      accept-ra: false
      link-local: [ ]
      addresses:
        - XXX.XXX.XXX.XXX/XX
#        - "XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX/64"
#      gateway6: "fe80::1"

注意

※ ens3 に設定するIPアドレスの変更や追加は行わないでください。

※ 2017/4/18より 標準OSインストールにて新規にインストールされるOSはIPv6の設定が無効化されています。
※ 有効化手順につきましては、 IPv6有効化手順(Ubuntu 24.04) をご参照ください。

I/Oスケジューラの設定

設定ファイル

/etc/udev/rules.d/60-ioschedulers.rules

設定内容

ACTION=="add|change", KERNEL=="vd[a-z]", ATTR{queue/rotational}="0", ATTR{queue/scheduler}="none"

リゾルバの設定

サーバーの参照ネームサーバとして、さくらインターネットのネームサーバを設定しています。
DNSサーバの設定を変更する際には「/etc/netplan/01-netcfg.yaml」をご参照ください。

設定ファイル

/etc/netplan/01-netcfg.yaml

設定内容

下記のいずれか

nameservers:
  addresses: [210.188.224.10, 210.188.224.11]
nameservers:
  addresses: [210.224.163.3, 210.224.163.4]
nameservers:
  addresses: [133.242.0.3, 133.242.0.4]

時刻同期の設定

上位NTPサーバをntp1.sakura.ad.jpに設定し、時刻問い合わせをおこないます。
自身がNTPサーバとしては動作しません。(時刻の問い合わせに対し応答しません)

設定ファイル

/etc/systemd/timesyncd.conf

設定内容

[Time]
NTP=ntp1.sakura.ad.jp

cron設定

定期実行における実行時間(※1)をランダムに変更します。

設定ファイル

/etc/crontab

設定内容

※1 XX *    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.hourly
※1 XX X    * * *   root    test -x /usr/sbin/anacron || ( cd / && run-parts --report /etc/cron.daily )
※1 XX X    * * 7   root    test -x /usr/sbin/anacron || ( cd / && run-parts --report /etc/cron.weekly )
※1 XX X    1 * *   root    test -x /usr/sbin/anacron || ( cd / && run-parts --report /etc/cron.monthly )

Ubuntu 24.04 FAQ

SSHd の起動方法の変更とその影響について

Ubuntu 22.10 (Kinetic Kudu) から、 SSHd の起動方法が systemd によるソケットアクティベーション方式に変更となっております。 これは、 systemd がネットワークソケットを LISTEN し、接続要求により SSHd を起動する方式で、一般的にメモリフットプリントの節約に貢献するものです。 その為、 SSHd の設定変更、得にポート番号の変更方法については大きな影響を受けることになります。

詳細については Ubuntu 22.10 (Kinetic Kudu) のリリースノート および Ubuntu Discourse をご確認ください。

なお、当社が 2024/05/23 現在で提供している標準OS Ubuntu 24.04 LTS (Jammy Jellyfish) におきましては、次のユニットファイルとなっていることを確認しております。 これは、初回の接続要求によりネットワークソケットを ssh.service に引き渡し ssh.service 起動させるものですので、接続が終了した後に SSHd が終了するものでは無いことにご留意ください。 その為、グローバル IPv4 アドレスに SSHd を公開し運用され、ファイアウォールなどで接続元 IP アドレスの制限を行っていない場合は、アタックによる接続試行により SSHd が起動することとなり、前述のメモリフットプリントの節約は効果が薄いもしくは無いことにご留意ください。

$ systemctl cat ssh.socket
# /usr/lib/systemd/system/ssh.socket
[Unit]
Description=OpenBSD Secure Shell server socket
Before=sockets.target ssh.service
ConditionPathExists=!/etc/ssh/sshd_not_to_be_run

[Socket]
ListenStream=22
Accept=no
FreeBind=yes

[Install]
WantedBy=sockets.target
RequiredBy=ssh.service

警告

SSHd の起動方法の変更については影響が大きいため参考情報として記載したものです。 今後のバージョンなどで変更となる可能性も有ること、スタートアップスクリプトを用いた場合に挙動が変更となる可能性が有ることにご留意ください。

SWAPを使用する

初期状態では、SWAPが設定されていません。 お客様のご利用プランやアプリケーションに合わせて、 swapfileの追加 を参考に設定ください。

日本語環境を使用する

初期状態では英語環境となっております。
メッセージを日本語化するには以下のコマンドを実行し LANG=”ja_JP.UTF-8″ としてください。
$ sudo apt update
$ sudo apt -y install language-pack-ja language-pack-ja-base
$ sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"

初期状態

$ localectl
  System Locale: LANG=C.UTF-8
   VC Keymap: (unset)
  X11 Layout: jp
   X11 Model: pc105

変更後

$ localectl
  System Locale: LANG=ja_JP.UTF-8
              LANGUAGE=ja_JP:ja
   VC Keymap: (unset)
  X11 Layout: jp
   X11 Model: pc105

OSのセキュリティアップデート

OSのセキュリティ情報については、下記のsecurity notices情報が参考になります。

OSのバージョンアップについて

新しいバージョンがリリースされると、下記でリリースノートが公開されます。
バージョンアップの留意点などにつきましても、こちらのリリースノートに記載されます。

OS のバージョンアップによる動作に関しましては、弊社では保障致しかねます。予めご了承ください。