サーバーのネットワーク設定

最初に

さくらの専用サーバ PHY では、運用用途に合わせてコントロールパネルからネットワークを自由に変更できます。

このページでは、ネットワークの構成変更の時に必ず生じる、サーバーの基本的なネットワーク設定の手順をご紹介します。
ご利用の割り当てネットワークに読み替えてご覧ください。
この手順に記載のないOSについては OSセットアップ仕様書 にネットワークの設定についての説明があります。

ネットワーク構成を変更するときの注意事項

さくらの専用サーバ PHY は、サービスの仕様上「冗長構成(ボンディング)」で運用することを推奨しています。
ボンディング構成をとらない運用を行う場合には、以下の点に留意してご利用ください。

ネットワークを設定しよう

設定の時に必要な情報

グローバルネットワーク

グローバルネットワークの設定を設定するにあたって、割当てるネットワークの情報を手元に用意します。

割り当て設定項目

IPアドレス
ネットマスク
ゲートウェイアドレス

コントロールパネル から ネットワーク情報を確認できます。

ネームサーバー

リージョン毎に値が異なります

石狩

IPv4

133.242.0.3
133.242.0.4

IPv6

2401:2500::1 *1
2401:2500::2 *1

Note

  • *1 「共用グローバルネットワーク」ではIPv6アドレスは提供していません。
    IPv6を利用する場合は「専用グローバルネットワーク」を利用してください。
  • サービスやネットワークの切り替え操作については、「 マニュアル>ネットワーク 」をご覧ください。

ローカルネットワーク

ローカルネットワークでは、下記のローカルIPアドレスブロックを自由に割り当てることができます。
利用できる範囲から割り当てるIPアドレスブロックと、IPアドレスを決めて、手元に準備してください。
  • 10.0.0.0/8

  • 172.16.0.0/12

  • 192.168.0.0/16

Note

インターフェースを切り替える(コントロールパネル)

サーバーの設定を変更する前に、コントロールパネルからネットワークインターフェースの設定を切り替えておきます。
切り替えの手順については マニュアル>ネットワーク を参照しておこないます。

Note

ローカルネットワークを利用するときは、コントロールパネルからローカルネットワークを作成し、 ネットワークで使用するIPアドレスブロック を決めておきます。

OS別ネットワーク設定

サーバーで行うネットワークの設定についてご紹介します。
この例の中では「ボンディング構成にする場合」「ボンディング構成にしない場合」の2種類の設定をご紹介しています。設定するサービス、環境に合わせて読み替えて設定をおこないます。

警告

ネットワークの設定は慎重に行ってください。
繋がらなくなる恐れがあります! 指定のない行の変更は絶対に行わないでください。

Red Hat Enterprise Linux 8, 9 / AlmaLinux 8, 9 / Rocky Linux 9

ボンディング構成で接続する

ボンディング構成をとり、ネットワークに接続する場合の設定としてデバイス名「eno1」「eno2」を「bond0」に設定する場合を紹介しています。

ネームサーバーが設定されていなければ設定します。
/etc/resolv.conf
# for IPv4
nameserver  [ネームサーバー(IPv4)]
# for IPv6
nameserver  [ネームサーバー(IPv6)]
...
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond0
TYPE=Bond
NAME=bond0
DEVICE=bond0
ONBOOT=yes
BONDING_MASTER=yes
BOOTPROTO=static

# for IPv4
IPADDR=[割り当て可能IPアドレス(IPv4)]
PREFIX=[サブネットマスク(プレフィックス表記)]
GATEWAY=[ゲートウェイアドレス]
IPV4_FAILURE_FATAL=no

# for IPv6
IPV6INIT=yes
IPV6ADDR=[割り当て可能IPアドレス(IPv6)]/64
IPV6_DEFAULTGW=[ゲートウェイアドレス(IPv6)]
IPV6_FAILURE_FATAL=no

DEFROUTE=yes
BONDING_OPTS="miimon=100 mode=802.3ad xmit_hash_policy=2"

「eno」デバイスにスレーブ設定がされていないのであればおこないます。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eno1
TYPE=Ethernet
NAME=eno1
DEVICE=eno1
ONBOOT=yes
MASTER=bond0
SLAVE=yes
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eno2
TYPE=Ethernet
NAME=eno2
DEVICE=eno2
ONBOOT=yes
MASTER=bond0
SLAVE=yes

サーバーを再起動します

# reboot

ネットワークが起動し、設定が反映されていることを確認します。

# ip addr show
ボンディング構成をとらずに接続する
ボンディング構成を使用せず、NICデバイスに直接ネットワークの設定を行う場合には「eno」デバイスを使用します。
以下の例では「eno1」にネットワーク設定をおこないます。

ネームサーバーが設定されていなければ設定します。
/etc/resolv.conf
# for IPv4
nameserver  [ネームサーバー(IPv4)]
# for IPv6
nameserver  [ネームサーバー(IPv6)]
...

ネットワークの設定を行います。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eno1
TYPE=Ethernet
NAME=eno1
DEVICE=eno1
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes

# for IPv4
IPADDR=[割り当て可能IPアドレス(IPv4)]
PREFIX=[サブネットマスク(プレフィックス表記)]
GATEWAY=[ゲートウェイアドレス(IPv4)]
IPV4_FAILURE_FATAL=no

# for IPv6
IPV6INIT=yes
IPV6ADDR=[割り当て可能IPアドレス(IPv6)]/64
IPV6_DEFAULTGW=[ゲートウェイアドレス(IPv6)]
IPV6_FAILURE_FATAL=no

ETHTOOL_OPTS="autoneg on"

「bond」デバイスのボンディングに関する設定を削除/無効化します。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond0
TYPE=Bond
NAME=bond0
DEVICE=bond0
ONBOOT=no

サーバーを再起動します。

# reboot

ネットワークが起動し、設定が反映されていることを確認します。

# ip addr show

Ubuntu 20.04

ボンディング構成で接続する

「eth0」「eth1」でボンディングを構成し「bond0」に設定する場合を紹介しています。

設定例:/etc/netplan/01-netcfg.yaml
network:
  version: 2
  renderer: networkd
  ethernets:
      eth0:
          dhcp4: no
      eth1:
          dhcp4: no
  bonds:
      bond0:
          dhcp4: no

          # for IPv4/IPv6
          addresses:
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv4)]/[サブネットマスク(プレフィックス表記)]
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv6)]/64
          ...
          gateway4: [ゲートウェイアドレス(IPv4)]
          gateway6: [ゲートウェイアドレス(IPv6)]
          nameservers:
              addresses:
                  - [ネームサーバー(IPv4)]
                  - [ネームサーバー(IPv6)]
                  ...

          interfaces:
          - eth0
          - eth1
          parameters:
              mode: 802.3ad
              mii-monitor-interval: 1s
              lacp-rate: slow
              min-links: 1
              transmit-hash-policy: layer2+3

設定した内容を反映させます。

# sudo netplan apply

ネットワークが起動し、設定が反映されていることを確認します。

# sudo cat /proc/net/bonding/bond0
# ip addr show
ボンディング構成をとらずに接続する
ボンディング構成を使用せず、デバイスに直接ネットワークの設定を行う場合には「eth」デバイスを使用します。
以下の例では「eth0」に設定する場合を紹介しています。
設定例:/etc/netplan/01-netcfg.yaml
network:
  version: 2
  renderer: networkd
  ethernets:
      eth0:
          dhcp4: no

          # for IPv4/IPv6
          addresses:
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv4)]/[サブネットマスク(プレフィックス表記)]
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv6)]/64
          ...\
          gateway4: [ゲートウェイアドレス(IPv4)]
          gateway6: [ゲートウェイアドレス(IPv6)]
          nameservers:
              addresses:
                  - [ネームサーバー(IPv4)]
                  - [ネームサーバー(IPv6)]
                  ...

      eth1:
          dhcp4: no
          # 設定するのであればeth0の書式に倣って記載

     (省略)

設定した内容を反映させます。

# sudo netplan apply

ネットワークが起動し、設定が反映されていることを確認します。

# ip addr show

Ubuntu 22.04 / Ubuntu 24.04

ボンディング構成で接続する

「eth0」「eth1」でボンディングを構成し「bond0」に設定する場合を紹介しています。

設定例:/etc/netplan/01-netcfg.yaml
network:
  version: 2
  renderer: networkd
  ethernets:
      eth0:
          dhcp4: no
      eth1:
          dhcp4: no
  bonds:
      bond0:
          dhcp4: no

          # for IPv4/IPv6
          addresses:
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv4)]/[サブネットマスク(プレフィックス表記)]
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv6)]/64
          routes:
          - to: default
            via: [ゲートウェイアドレス(IPv4)]
          - to: default
            via: [ゲートウェイアドレス(IPv6)]
          nameservers:
              addresses:
                  - [ネームサーバー(IPv4)]
                  - [ネームサーバー(IPv6)]
                  ...

          interfaces:
          - eth0
          - eth1
          parameters:
              mode: 802.3ad
              mii-monitor-interval: 1s
              lacp-rate: slow
              min-links: 1
              transmit-hash-policy: layer2+3

設定した内容を反映させます。

# sudo netplan apply

ネットワークが起動し、設定が反映されていることを確認します。

# sudo cat /proc/net/bonding/bond0
# ip addr show
ボンディング構成をとらずに接続する
ボンディング構成を使用せず、デバイスに直接ネットワークの設定を行う場合には「eth」デバイスを使用します。
以下の例では「eth0」に設定する場合を紹介しています。
設定例:/etc/netplan/01-netcfg.yaml
network:
  version: 2
  renderer: networkd
  ethernets:
      eth0:
          dhcp4: no

          # for IPv4/IPv6
          addresses:
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv4)]/[サブネットマスク(プレフィックス表記)]
          - [割り当て可能IPアドレス(IPv6)]/64
          routes:
          - to: default
            via: [ゲートウェイアドレス(IPv4)]
          - to: default
            via: [ゲートウェイアドレス(IPv6)]
          nameservers:
              addresses:
                  - [ネームサーバー(IPv4)]
                  - [ネームサーバー(IPv6)]
                  ...

      eth1:
          dhcp4: no
          # 設定するのであればeth0の書式に倣って記載

     (省略)

設定した内容を反映させます。

# sudo netplan apply

ネットワークが起動し、設定が反映されていることを確認します。

# ip addr show