「さくらの専用サーバ PHY」ロードバランサー 13.0へのファームウェアアップデート¶
重要
本ページは「さくらの専用サーバ PHY」のロードバランサー「Citrix NetScaler MPX 8910」のファームウェアアップデートメンテナンスについて記載しています。
概要¶
2023年5月30日に「Citrix NetScaler MPX 8910」で利用しているファームウェアバージョン12.1のベンダーサポートが終了いたしました。
セキュリティの確保や保守の継続のため、次期バージョン候補について検証および検討の結果、ファームウェア13.0へバージョンアップを実施いたします。
ファームウェアアップデートメンテナンスにあたり作業の流れや注意点についてご案内します。
ファームウェアアップデートメンテナンス当日の注意点¶
ファームウェアアップデートメンテナンス当日の注意点は以下となります。
メンテナンス中のロードバランサーの操作はお控えください¶
メンテナンス中はロードバランサー機器にログインしての操作はお控えいただきますようお願いいたします。
また、メンテナンス中はコントロールパネルからのロードバランサー関連の操作を制限させていただきますのでご了承ください。
管理者ユーザーのmaxsessionの値を変更いたします¶
13.0の既知の不具合で管理ツール（管理GUI）で操作中に「Connection limit to CFE exceeded」エラーが発生することがあります。
エラーの原因はセッション管理の仕様変更により管理ツール（管理GUI）のセッションの消費が増えたことによるものです。（管理ツールのセッションに関する不具合でバランシングのセッションには影響しません）
ベンダーで修正ファームウェアを作成しておりますが、今回のメンテナンスには修正を適用できないため、暫定対応として管理者ユーザーの「Maximum Client Session」の値をメンテナンス当日に5セッションから30セッションへ設定を変更します。
こちらの設定につきましてはメンテナンス後も変更されないようにお願いします。
管理者ユーザーのMaximum Client Sessionsの変更¶
> show system user
User name: <管理者ユーザー>
Timeout: 900 Timeout Inherited From: Global
External Authentication: DISABLED
Logging: DISABLED
Maximum Client Sessions: 30 <- 設定値を5から30へ変更します
Allowed Management interface: CLI API
Allowed Interface Inherited From: Global
Command Policy: partition-admin Priority:0
Done
メモリ利用量が増加します¶
ファームウェアバージョン12.1と比較し13.0ではメモリ利用量が10MB-15MB程増加します。
メモリが不足すると通信影響が発生する可能性がございますので、現在のファームウェアバージョン12.1をご利用の時点で 契約あたりの利用目安（上限値） を超えていないか、メモリ利用量に問題がないかをご確認ください。
現在のメモリ利用量の確認方法（CLI）¶
> stat system memory
Citrix ADC Memory Information:
Maximum Memory Available (MB) 150
Memory Currently Available (MB) 150
Memory Allocated (MB) 33
Memory Allocated (%) 22.43
InUse Memory (MB) 33 <- メモリ利用量
InUse Memory (%) 22.43 <- メモリ利用率
Free Memory (MB) 116
Maximum Allocation Failed (MB) 0
Citrix ADC Shared Memory Information:
Total Shared Memory (MB) 0
Shared Memory InUse (MB) 0
Shared Memory InUse (%) 0.00
Maximum Allocation Failed (MB) 0
Citrix ADC Integrated Cache Memory Information:
Maximum Memory (MB) 0
InUse Memory (MB) 0
InUse Memory (%) 0.00
Done
Q&A¶
通信断は発生しますか？¶
メンテナンス時のロードバランサー機器のフェールオーバーに伴い、数秒の通信遅延が2度発生する可能性がございます。
ロードバランサーのファームウェアアップデート後に対応すべきことはありますか？¶
いいえ。バランシングの設定やSSL証明書は12.1から13.0へ引き継がれます。
更新履歴¶
2023/07/18: 「メモリ利用量が増加します」を追記
2023/07/28: 「ファームウェア情報」のファームウェアバージョンとリンク先を変更