モニタリングスイート サービス基本情報
[更新: 2025年12月16日]
概要
モニタリングスイートは、システム監視を行うためのプラットフォームです。さくらのクラウド・その他のクラウド・オンプレ等の多様な環境を一元管理し、可視化することができます。
用語説明
ログストレージ・メトリクスストレージ・トレースストレージ
モニタリングスイートのデータを蓄積するためのストレージです。ログストレージはログデータを、メトリクスストレージは数値データを、トレースストレージはトレースデータを保存します。 ストレージ毎にアクセス制御やデータ保持ポリシーが異なるため、用途に応じてストレージを使い分けることを想定しています。
ログルーティング・メトリクスルーティング
さくらのクラウドの各種サービスからのログやメトリクスを、モニタリングスイートのストレージに送信するための設定です。
アラートプロジェクト
アラートプロジェクトは、アラートの設定を管理するための単位です。アラートルールを定義し、メトリクスの状態に基づいて通知を行います。
アラートプロジェクトには以下のリソース・機能が含まれます。
- ルール
メトリクスの状態を監視し、条件に基づいてアラートを発生させるための設定です。
- 通知先
アラートが発生した際に通知を受け取るための設定です。現在は通知先としてシンプル通知とEventBusが選択可能です。
- 通知ルーティング
アラートの通知をどの通知先に送信するかを定義する設定です。再送設定やルール・ラベル等に基づくフィルタが設定可能です。
- ログ計測ルール
条件にマッチしたログの行数をメトリクスストレージに格納する設定です。他の機能と組み合わせることで、ログに対するアラートを実現できます。
ダッシュボードプロジェクト
ダッシュボードプロジェクトは、ダッシュボードの設定を管理するための単位です。一つのダッシュボードプロジェクト中に複数のダッシュボードを作成できます。 メトリクストレージをデータソースとして利用します。
ユーザ領域・システム領域
モニタリングスイートでは、ログ・メトリクスのストレージ領域を「ユーザ領域」と「システム領域」に分けています。 トレースストレージは「ユーザ領域」のみの提供となります。
- ユーザ領域
お客様が設定したログ・メトリクスを保存する領域です。ユーザが自由に作成・管理できます。 課金が始まった際には課金対象となります。
- システム領域
さくらのクラウドが提供する機能のログ・メトリクスを保存する領域です。 無料で提供され、課金対象にはなりません。 ストレージの削除・アクセスキーの発行・保存期間の変更等の操作を行うことはできません。
機能説明
モニタリングスイートは、以下の機能を提供します。
機能名 |
内容 |
|---|---|
メトリクス |
システムの状態を数値で表現したデータを蓄積し、クエリできます。 |
ログ |
システムのログを収集し、検索や可視化ができます。 |
トレース |
分散トレーシングのデータを収集し、可視化ができます。 |
可視化 |
メトリクスをダッシュボードで可視化します。 |
アラート |
メトリクスの内容を監視し、閾値を超えた場合に通知を行います。 |
仕様・制限
ストレージ機能の制限は以下の通りとなります。
項目 |
メトリクスストレージ |
ログ・トレースストレージ |
|---|---|---|
保存期間 |
40日 |
40日(1~730日に変更可能) |
ストレージあたりの保存上限 |
1GB程度 |
100GB程度 |
1プロジェクトあたりの作成数 |
5 |
5 |
書き込みレート制限 |
1時間あたり5,000の新規Series |
1秒あたり50リクエスト・1,000行の書き込み |
クエリレート制限 |
1時間あたり10,000回のクエリ |
1分あたり100回のクエリ |
ペイロードサイズ制限 |
― |
1リクエストあたり5MiB(非圧縮時) |
行サイズ制限 |
― |
1行あたり1MiB (メタデータ含む) |
受け入れタイムスタンプ |
現在時刻から48時間後以内 |
現在時刻の72時間前から1時間後以内 |
送信プロトコル |
Prometheus Remote Write 1.0 |
OpenTelemetry Protocol (OTLP/HTTP) |
読み出しプロトコル |
Prometheus HTTP API |
サポートなし |
保管場所 |
石狩リージョン |
石狩リージョン |
アラート機能の制限は以下の通りとなります。
項目 |
内容 |
|---|---|
プロジェクト作成数 |
5 |
各プロジェクト内のルール作成数 |
100 |
各プロジェクト内のログ計測ルール作成数 |
100 |
ダッシュボード機能の制限は以下の通りとなります。
項目 |
内容 |
|---|---|
ダッシュボード作成数 |
5 |
ログの構造化
モニタリングスイートでは非構造ログ/構造化ログの両方をサポートしています。構造化ログとして送る場合は、ログ行をパースしてマップに変換した上で送信します。 以下の対応表に従いフィールド名を設定すると、Web UI上で見やすくなり、検索やフィルタリング出来るようになります。
UI上の表示名 |
送信フィールド名 |
型 |
例 |
|---|---|---|---|
log_name |
log_name |
String |
"my-log-name" |
timestamp |
time, timestamp |
Integer / Double / |
1728986923 / 1728986923123456789 / |
severity |
level, severity |
String |
"DEBUG", "INFO", "NOTICE", |
http_request_method |
http_request_method |
String |
"GET" |
http_request_url |
http_request_url, http_request_uri |
String |
"https://example.com/path" |
http_request_size |
http_request_size |
Integer |
1234 |
http_status |
http_status_code, http_status |
Integer |
200 |
http_response_size |
http_response_size |
Integer |
1234 |
http_user_agent |
http_user_agent, user_agent |
String |
"Mozilla/5.0" |
http_remote_ip |
http_remote_addr, http_remote_ip |
String |
"203.0.113.1" |
http_remote_port |
http_remote_port |
Integer |
12345 |
http_referer |
http_referer |
String |
"https://example.com/previous" |
http_latency_ns |
http_latency_ns, http_latency_us |
Integer / Double |
1234 / 1234.567890 |
http_cache_lookup |
http_cache_lookup |
Boolean |
true |
http_cache_hit |
http_cache_hit |
Boolean |
true |
http_cache_fill_bytes |
http_cache_fill_bytes |
Integer |
1234 |
http_protocol |
http_protocol |
String |
"HTTP/1.1" |
http_schema |
http_scheme, http_schema |
String |
"http" |
http_user |
http_user |
String |
"alice" |
labels |
_labels, __labels |
map[string]string |
{"key1": "value1", "key2": "value2"} |
source_loc_file |
source.file, source_file |
String |
"main.go" |
source_line |
source.line, source_line |
String |
"123" |
source_function |
source.function, source_function |
String |
"main.main" |
text_payload |
msg, message, text, log |
String |
"hello" |
json_payload |
上記のいずれにも該当しないフィールド |
Object |
{"foo": "bar", "num": 123} |
OTLPログにおける特別なフィールドと、UI 上での対応する表示名との対応関係は以下の通りです。
UI上の表示名 |
OTLPフィールド名 |
型 |
例 |
|---|---|---|---|
trace_id |
trace_id |
String |
"1234567890abcdef1234567890abcdef" |
span_id |
span_id |
String |
"1234567890abcdef" |
service_name |
resource_attributes["service.name"] |
String |
"my-service" |
service_instance_id |
resource_attributes["service.instance.id"] |
String |
"instance-001" |
service_namespace |
resource_attributes["service.namespace"] |
String |
"my-namespace" |
service_version |
resource_attributes["service.version"] |
String |
"1.0.0" |
deployment_environment_name |
resource_attributes["deployment.environment.name"] |
String |
"production" |
resource_attributes |
上記のいずれにも該当しないresource_attributesフィールド |
Object |
{"foo": "bar", "num": 123} |
attributes |
attributes |
Object |
{"foo": "bar", "num": 123} |
サポート
ご不明点やお困りの際は、 会員メニュー内のメールサポート より、サービス情報を「さくらのクラウド」としてお問い合わせください。
この際に、該当の機能名・コントロールパネルパネル上で表示されるリソースIDを連絡いただけますと、スムーズな対応が可能です。ご協力いただけますようお願いします。