デプロイメント戦略と自動化
[更新日:2025年09月30日]
IaC(Infrastructure as Code)の活用
さくらのクラウドのリソースをコードで管理し、環境構築の標準化と効率化を実現します。バージョン管理システムとの連携により、変更の追跡と品質管理を向上させます。
実装要素は以下のとおりです。
設定管理: サーバ設定の標準化と自動化。AnsibleやTerraformなどのツールを使用してサーバ設定をコード化し、手作業による設定ミスを防止する
バージョン管理: インフラ構成の変更履歴管理。インフラストラクチャのコードをGitで管理し、変更履歴の追跡と変更内容のレビューを可能にする
環境複製: 本番環境と同一の検証環境の自動構築。コード化されたインフラ定義により、本番環境と完全に同一の検証環境を自動で構築する
継続的な改善により、運用効率を最大化します。
CI/CDパイプラインの構築
継続的な統合とデプロイメントにより、品質の高いソフトウェアを迅速かつ安全にリリースします。品質ゲートの設定により、問題のあるコードの本番環境への流入を防止します。
パイプラインの構成要素は以下のとおりです。
自動テスト: デプロイ前の品質確認。コミット時に自動的に単体テスト、統合テスト、セキュリティテストを実行し、品質基準を満たしたコードのみをデプロイ対象とする
段階的デプロイ: ステージング環境での事前確認。開発環境、ステージング環境、本番環境の順に段階的にデプロイを実行し、各段階で動作確認を行う
自動ロールバック: 問題発生時の迅速な回復。デプロイ後の監視により異常を検知した場合、自動的に前のバージョンにロールバックする仕組みを構築する
自動化レベルの向上により、人的ミスを最小化します。
ゼロダウンタイムデプロイの実現
ブルーグリーンデプロイ
ブルーグリーンデプロイにより、新旧環境を並行稼働させて無停止でのアップデートを実現し、サービス継続性を保証します。
実装手法は以下のとおりです。
環境切り替え: ロードバランサによる段階的な切り替え。新バージョンの環境(グリーン)を構築し、動作確認後にロードバランサの設定を変更して段階的にトラフィックを移行する
即座の切り戻し: 問題発生時の瞬時の元環境復帰。新環境で問題が発生した場合、ロードバランサの設定を即座に元に戻すことで、数秒以内にサービスを復旧させる
リソース効率: 切り替え完了後の旧環境リソース開放。新環境への切り替えが完全に完了し、安定稼働を確認した後、旧環境のリソースを開放してコストを削減する
段階的な切り替えにより、リスクを最小化します。
カナリアデプロイ
カナリアデプロイにより、一部のユーザに新バージョンを提供して段階的に展開し、リスクを最小化しながら新機能をリリースします。
デプロイ戦略は以下のとおりです。
影響範囲限定: 問題発生時の被害範囲最小化。新バージョンを最初は少数のユーザにのみ提供し、問題が発生しても影響を最小限に抑える
実績評価: 実際のユーザ環境での動作確認。限定的なユーザグループでの実際の利用データにより、性能、安定性、ユーザビリティを評価する
段階的拡大: 安全性確認後の段階的な適用範囲拡大。初期展開で問題がないことを確認後、段階的に適用範囲を拡大する
実際のユーザフィードバックを基にした改善により、品質向上を図ります。
リリース管理の標準化
変更管理プロセス
変更管理プロセスにより、すべての変更を統制し、リスクを管理しながら安全なリリースを実現します。
管理要素は以下のとおりです。
変更承認: デプロイ前の承認プロセス。変更の規模と影響度に応じて、開発リーダー、運用責任者、場合によっては経営陣の承認を得てからデプロイを実行する
リスク評価: 変更による影響の事前評価。変更内容を分析し、システム、ユーザ、ビジネスへの影響度を評価する
切り戻し計画: 問題発生時の対応手順。すべての変更に対して、問題発生時の具体的な切り戻し手順を事前に策定する
標準化された手順により、品質と安全性を確保します。
リリース文書化
リリース文書化により、標準化された文書により、リリース作業の品質と再現性を確保します。
文書化要素は以下のとおりです。
手順書作成: 標準化されたデプロイ手順の文書化。誰が実行しても同じ結果が得られるよう、詳細で明確な手順書を作成する
チェックリスト: 作業漏れ防止のための確認項目。デプロイ前、デプロイ中、デプロイ後の各段階で確認すべき項目をチェックリスト化する
ナレッジ共有: チーム全体での手順共有。リリース手順や過去のトラブル事例を社内Wikiやドキュメント管理システムで共有し、チーム全体のスキル向上を図る
継続的な知識共有により、組織全体のスキル向上を図ります。