Add-onサービスのベストプラクティス

[更新:2025年12月11日]

ここでは、Add-onサービスを活用したシステムを構築する場合のベストプラクティスを解説します。

Add-onサービスの環境構築においても、手作業での設定を極力避け、Infrastructure as Code(IaC)を活用することが推奨されます。TerraformやシェルスクリプトなどのIaCツールを利用することで、インフラの構成をコードとして管理し、自動的に環境を構築できます。これにより設定ミスを減らし、迅速かつ一貫性のある環境構築が可能になります。

サンプルファイルの提供

以下にて、様々なAdd-onサービスのベストプラクティスを構築するためのサンプルファイルを公開しています。ここに、Terraformファイルとサンプルデータを収録しています。

Add-onサービス サンプルファイルのダウンロード

ディレクトリと構成例の対応は、以下のとおりです。

ディレクトリ名

構成例

1

データ分析基盤の構築と可視化

2

データ保存内容の可視化

3

データ変換パイプラインの構築

4

検索

5

ストリーミング処理

6

DBアプライアンスのデータ分析

7

アプリケーションのCI/CD

8

アプリケーションのCI/CD (コンテナ)

9

IaCコードのCI/CD

10

アップストリームソース

11

Webアプリケーションの配信と保護​

12

AI機能(音声・画像・文書)

Add-onサービスの構成例

各構成例の概要は、以下のとおりです。

データ分析

データ分析基盤の構築と可視化

data_analysis

データ分析と可視化によるシステム構成では、大規模で多様なデータを安全に蓄積し、収集から加工・統合まで自動化することで、高速かつ柔軟な分析を可能にします。これにより、蓄積したデータを一元的に解析し、視覚的に分かりやすく共有することで、全社的なデータ活用と迅速な意思決定を支援します。

データ保存内容の可視化

data_visualization

多様なデータを一元管理し、ETLで整形・統合した上でデータレイクに蓄積。専用SQLプールで高速クエリ分析を行い、BIツールで視覚的に可視化します。これにより、リアルタイムでの状況把握とデータに基づく迅速な意思決定が可能となり、業務の効率化と戦略的判断力を強化できます。

データ変換パイプラインの構築

data_transformation_pipeline

大容量のデータを柔軟に蓄積できるオブジェクトストレージに集約し、ETLで抽出・加工・整形することで、分析や活用に適した高品質データへと統合します。これにより、手作業の削減と処理の再現性を確保しつつ、迅速で信頼性の高いデータ供給が可能となり、業務全体の効率化とデータ活用の高度化を実現できます。

検索

search

高精度な全文検索や意味検索を実現するため、オブジェクトストレージとETL、AI検索を組み合わせます。必要な情報へ迅速にアクセスすることで、情報探索の効率化やナレッジ活用の向上を促し、業務スピードと生産性を大幅に高めます。

ストリーミング処理

stream_processing

イベントをトリガーにしてストリームデータを即時収集し、加工・整形したうえで分析処理に流し込み、その結果をデータレイクへ蓄積するシステムです。リアルタイムな状況把握や異常検知が容易となり、迅速な対応・自動化・業務効率化を実現する高即応性のデータ処理基盤を構築できます。

DBアプライアンスのデータ分析

data_analysis_on_db

DBアプライアンスに蓄積された情報を、分析ツールに取り込み可視化します。これにより、クラウドDBの拡張性を活かしつつ迅速な分析が可能となり、意思決定や業務改善の精度を高めます。

CI/CD

アプリケーションのCI/CD

ci/cd application

コードを一元管理し変更履歴を追跡できる環境に、自動ビルド・自動デプロイを組み合わせることで、Webアプリを安定かつ迅速に配信します。品質を保ちながら更新頻度を高めることができ、設定ミスの防止やセキュリティ確保を実現し、開発効率と運用信頼性を大幅に向上できます。

アプリケーションのCI/CD (コンテナ)

cicd_containers

コードをリポジトリで統合管理し、コンテナのビルド・テスト・デプロイをCI/CDパイプラインにより自動化することで、さくらのクラウド環境への継続的な更新を高速かつ安定して実現します。これにより、人的ミスを削減し、リリース品質と開発効率を向上させ、運用負荷を軽減しながらスピーディなサービス提供が可能になります。

IaCコードのCI/CD

cicd_iac_code

システム構成情報を「Infrastructure as Code」(IaC)のコードとしてリポジトリで一元管理し、CI/CDパイプラインで自動テスト・検証・デプロイを行います。これにより、インフラ構成の変更を安全かつ再現性高く適用でき、設定ミスの防止、レビューと自動化に基づく品質向上を実現し、迅速な環境構築や変更管理の効率化が可能になります。

アップストリームソース

upstream_source

アップストリームソースとは、各プロジェクトが利用するパッケージの“元となる供給源”を指し、外部の信頼できる公開リポジトリなどから最新パッケージを取得する役割を持ちます。これを社内のパッケージ管理基盤と連携することで、安定した依存関係を一元的に提供できます。結果として、脆弱性リスクの低減、バージョン管理の統制、開発環境の標準化が進み、プロジェクト間でのばらつきを防ぎながら効率的で高品質な開発を継続的に実現できます。

Webサービスセキュリティ

Webアプリケーションの配信と保護​

delivery_and_protection

グローバルな配信基盤を通じてWebアプリケーションを高速に配信しつつ、WAFなどのセキュリティ機能で攻撃から保護する仕組みを構築します。これにより、遅延の少ない快適なユーザー体験と高い可用性を確保しながら、不正アクセス対策やトラフィック制御を一元化し、運用効率と安全性を同時に向上できます。

AI

AI機能(音声・画像・文書)

AI_function

音声・画像・文書を統合的に処理できるクラウドAI基盤を構築することで、高精度な文字起こし、画像内容の自動解析、文書構造の抽出を一貫して実行できます。これにより、大量データの理解と処理を自動化し、業務の効率化や情報活用の高度化を実現。人的リソースへの依存を減らし、迅速で正確な判断・検索・整理を可能にします。