専有ホスト

[更新: 2023年2月15日]

さくらのクラウドが提供する専有ホストの説明ページです。

概要

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サーバを収容する基盤となるホストサーバをお客様が専有し、他のお客様の影響を受けずにホストサーバのリソースを独占できるサービスです。

従来の共有型と比較し、他のお客様と混在することのできないコンプライアンス要件や仮想環境を収容する物理ホストサーバのスペックによりライセンスコストの変化するソフトウェアの導入など、通常のクラウドでは対応できない高度な要件をクラウドの利便性はそのままに実現可能になります。

また、お客様はサーバを自由に専有ホスト上で起動することができるため、負荷状況に応じたキャパシティプランニングをお客様自身で実施することが可能です。

特徴

  • ホストサーバのCPUとメモリを専有できるので、それらのリソースについては他の利用者による影響を受けることはありません。
  • 専有ホストのホストマシンのスペックは開示されており、仮想基盤のスペックに依存するソフトウェアのライセンスコストを最適化することが出来ます。
  • 専有ホストでの障害発生時には自動で別の専有ホストが割り当てられるため、耐障害性向上のため事前に複数の専有ホストをご契約頂く必要はありません。
  • 専有ホスト上で作成したサーバではNested VMのご利用が可能となります。
  • 月額料金のほか、1日料金や1時間料金もあり、短時間でもご利用いただきやすい料金体系となっています。

注釈

専有ホストはベアメタルや専用サーバのように物理マシンをそのまま提供するサービスではありません。さくらのクラウドの仮想化基盤の一部として提供されるため、ホストサーバ上に直接OSをインストールするなどの操作を行うことはできません。

価格

価格については サービスサイト を参照ください。

注釈

全リージョン・ゾーンで共通の価格となります。

Nested VMについて

Nested VMとは、仮想サーバ上で仮想サーバを実行できる機能です。通常のさくらのクラウド環境内で作成したサーバ上では仮想環境の実行を行うことができませんが、専有ホストではこの機能に対応しているため、専有ホスト上で動作するサーバでは仮想サーバを実行させることができます。

注意

Nested VMは、2019年7月2日以降にご契約いただいた専有ホストで機能がデフォルトで有効化された状態となります。それ以前よりご契約の専有ホストでNested VMの有効化をご希望のお客様につきましては 弊社サポート までご連絡ください。

サービス仕様

提供範囲

専有ホストの提供範囲は物理ホスト部分となります。ネットワークやストレージについては通常のサーバプランと同様、 ルータ+スイッチ 機能や ディスク 機能をご利用いただくこととなります。

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専有ホストにより専有提供される範囲

  • 仮想サーバが動作するホストサーバ部分

お客様仮想サーバのCPU/メモリーの計算資源については他のお客様と混在させることなく、お客様ご自身により資源の割当を行うことができます。

共有の範囲

  • インターネットやローカルネットワーク(スイッチ)への接続
  • 専有ホストで起動しているサーバに接続されているディスク/ISOイメージ

ネットワーク部分やお客様ディスクを収容するストレージ装置については、従来のクラウドと同様に共有型での提供となります。

詳細仕様

専有ホストの仕様は以下の通りです。

専有ホスト仕様 物理コア数:20コア
最大仮想コア数:200仮想コア
物理メモリ容量:224GB
Windowsの実行 専有ホスト(Windows)のご利用で対応可能
  • 最大仮想コア数までは、サーバの合計コア数が物理コア数以上となっても同一専有ホスト上で起動することが可能です。
  • 同一専有ホスト上で起動されるサーバの合計メモリ容量は、専有ホスト搭載の物理メモリ容量を上回ることはできません。下記の例では[専有ホストB]に対して[サーバ03]が割当られているため割当可能なメモリ容量は残り32GBとなります。そのため48GBのメモリが必要となる[サーバ04]は収容することができずエラーとなります。
  • 専有ホスト(Windows)でWindows以外の仮想サーバは割当できません。
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専有ホストのご利用料金

専有ホストはその上での仮想サーバの動作の有無や専有ホスト自体の稼働状況に関わらず、契約された時点より課金が開始されます。

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専有ホスト上で起動している仮想サーバに対しては、請求の対象の時間として計算されません。ただし、仮想サーバへの専有ホストの割当を解除し、一般のホストサーバ上で起動した際には通常通りの起動時間に応じた課金が行われます。
※有償提供アーカイブをご利用の場合、ライセンス料金は専有ホスト上で起動している仮想サーバにも継続して発生します。

上記図では[サーバA]を専有ホストに割当てる前後で通常のホスト上で起動していることから、専有ホストで起動していない時間については通常通りサーバのスペックに応じた請求が発生します。

具体的なご利用料金など、詳細については サービスサイト を参照ください。

障害/メンテナンス時の挙動

障害発生時の挙動

障害が発生し専有ホストで予期せぬ停止が発生した際には以下の対応が自動で実施されます。これにより通常のホストサーバの復旧と同様に、専有ホストへ関連付けされている仮想サーバを他の専有ホストサーバへ割当を行い、障害発生時に起動していた仮想サーバについても同様に起動した状態で復旧します。

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専有ホストで契約されている物理ホストサーバに障害が発生した際には別の物理ホストサーバが自動で割り当てられるため、障害に備えて事前に複数の専有ホストを契約いただく必要はありません。障害発生時に新たに割り当てられる専有ホストについても他のお客様が収容されていないお客様専有のものとなります。

メンテナンス時の挙動

お客様へ提供している専有ホストで機材故障やさくらのクラウド仮想基盤ソフトウエアのバージョンアップなどのメンテナンス作業が発生した際には、以下の対応となります。

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1 .専有ホストの契約に対して、代替となる専有ホストが割り当てられます

お客様にメンテナンスのご連絡を行った時点で、1つの専有ホスト契約に対して一時的に2台のホストサーバ割り当てられた状態となります。ご連絡以降に専有ホスト上でサーバ起動を行う場合、新たに割り当てられた専有ホスト上にサーバが起動します。メンテナンス対象の専有ホストに収容されている仮想サーバについてはメンテナンスご連絡メールに記載されている作業日までに、お客様ご自身により 収容変更の実施 をお願いします。

重要

メンテナンスの際には1つの専有ホストの契約に対して一時的に2台のホストサーバが専有として割り当てられますが、収容可能な上限は1台を上限として計算されます。例えばメンテナンス対象の専有ホストにメモリ192GB分のサーバが動作している場合、新たに割り当てられるホストサーバ上で新規に起動することが可能なメモリ上限は32GBとなります。

2 .メンテナンス対象の再起動メンテナンスを実施します

ご連絡したメンテナンスの日時を迎えるとメンテナンス対象の専有ホストは自動で停止し、新たに割り当てが行われた専有ホスト上で再起動します。以降は通常通り新たに割り当てられている専有ホストをお使いください。

注釈

メンテナンスのご連絡を行った時点で専有ホストの割当ホスト名が新しいホスト名に変更されます。個々のサーバの詳細画面より収用ホスト名が専有ホストに割り当てられているものと相違がないかをご確認の上 収容変更の実施 をお願いします。

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ご利用方法

お申し込み

コントロールパネルのオプション画面より「専有ホスト」を選択すると、現在契約中の専有ホストが一覧表示されます。新たに契約する場合は「追加」ボタンをクリックします。

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新規作成時に、通常専有ホストとWindows専有ホストを選択できます。

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重要

専有ホストはゾーンごとに作成されます。事前にコントロールパネル左上で選択中の ゾーン をご確認ください。

専有ホスト契約後は一覧画面より、専有ホストに収容できる仮想コアとメモリーの上限及び現在の収容状況、紐付けられているホスト名を確認することができます。

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専有ホスト詳細画面

契約中の専有ホスト一覧画面で個々の専有ホストをダブルクリックすると詳細画面が表示されます。

「情報」タブ

専有ホストに関する情報を確認することができます。

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  • ホスト名: お客様が専有ホストの契約により専有を行っている物理ホストサーバの名称が表示されます。
  • 利用リソース状況: 専有ホストのリソース利用状況を確認できます。上記の例では現在13コア分、メモリ53GB分が使用中であることがわかります。

「サーバ」タブ

収容中のサーバ一覧が表示されます。

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チェックボックスからチェックを外すことで割り当て中のサーバの解除を行うとができます。

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「追加」ボタンをクリックすると、専有ホストに割り当て可能なサーバの一覧が表示されます。この中から任意のサーバを選択することで新規に割り当てを行うことが出来ます。

注意

割り当ての追加や削除が行えるサーバは停止中のサーバのみとなります。起動中のサーバに対して操作を行うことはできません。

「アクティビティ」タブ

収容されているサーバの全てのCPU時間を合算した値のグラフが表示されます。

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サーバ詳細画面・新規作成からの専有ホスト割り当て

専有ホストの詳細画面からサーバを割り当てる以外に、以下の手順で専有ホストへの割当を行うこともできます。

1.サーバ詳細画面

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サーバの詳細画面より、サーバの名称などを変更する「編集画面」を開くと、専有ホストの契約がある際にのみ専有ホストの割当項目が表示されます。

注釈

専有ホストの契約がない場合、または編集を行うサーバが起動状態の場合にはこの項目は表示されません。

2.新規サーバ作成画面

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「その他のオプション」にある「専有ホストに収納する」オプションにチェックを入れることで、契約中の専有ホストをポップアップメニューより指定して起動させることができます。

注釈

専有ホストの契約がない場合はこの項目は表示されません。

注意事項

  • 特殊タグ@group タグは専有ホストに収容されるサーバに対して効力はありません。専有ホストに収容する際には @group タグの指定を外してください。
  • 専有ホストで提供されるホストサーバは専有ホスト専用となります。通常の共有型で提供している物理サーバとは仕様が異なる場合があります。
  • 専有ホストの最大仮想コア数やメモリ容量の上限を上回るサーバの割当を行うことは出来ません。計算対象には停止中のサーバも含まれます。
  • 専有ホストを解約する場合は、サーバの割当が全て解除されている必要があります(収容されている全てのサーバが停止状態の場合のみ、専有ホストの解約の際に同時に割り当ての解除がおこわなれます)。
  • 専有ホストではサーバのみを実行することができます。アプライアンス(VPCルータ、ロードバランサ等)の収容先として選択することはできません。
  • 最大仮想コア数は収容を行う事ができる上限であり、物理コアを大幅に上回る仮想コアを収容している状態での高負荷なワークロードの処理を保証するものではありません。お客様の用途に応じて収容設計の上ご利用ください。
  • 標準専有ホスト上ではWindowsがインストールされているディスクが接続されているサーバの起動を行うことはできません。Windows専有ホストをご利用ください。