BYOLについて

[更新:2026年4月3日]

クラウド移行を検討する際、既存のソフトウェアライセンスをそのまま持ち込めるかどうかは、コストやスケジュールに大きく影響する重要なポイントです。本ページでは、さくらのクラウドにおけるBYOL(Bring Your Own License)の対応状況を、OS・ミドルウェアごとに解説します。

BYOLとは

BYOL(Bring Your Own License)とは、お客様が既に保有しているソフトウェアライセンスを、クラウド環境に持ち込んで使用することを指します。

一般的に、クラウドサービスを利用する際のライセンス調達方法には、以下の2つがあります。

  1. クラウド事業者が提供するライセンスを利用する方式 クラウド事業者がソフトウェアベンダーと契約し、利用料に含める形でライセンスを提供します。お客様は個別のライセンス契約を意識することなく、従量課金や月額固定でサービスを利用できます。

  2. お客様が保有するライセンスを持ち込む方式(BYOL) お客様が既にソフトウェアベンダーと締結しているライセンス契約を、クラウド環境でも継続して使用します。ボリュームライセンスやEnterprise Agreementなど、特定の契約形態が必要になる場合があります。

BYOLを利用できるかどうかは、ソフトウェアベンダーのライセンス規約およびクラウド事業者の対応状況によって異なります。以下、さくらのクラウドにおける主要なOS・ミドルウェアのBYOL対応状況を説明します。

Linux

Ubuntu、Debian、AlmaLinux、Rocky LinuxなどのLinuxディストリビューションは、オープンソースライセンスで提供されているため、ライセンス費用は発生しません。そのため、BYOLという概念自体が適用されず、自由にさくらのクラウド上で利用できます。

さくらのクラウドでは、以下のLinuxディストリビューション(2026年1月時点)をパブリックアーカイブとして提供しており、すぐにサーバを作成できます。

  • Ubuntu

  • AlmaLinux

  • Rocky Linux

  • MIRACLE Linux

  • Debian GNU/Linux

  • KUSANAGI

各Linuxの利用可能バージョンは公式サイトで確認してください。

これらのOSを使用する場合、オンプレミス環境からの移行に際してライセンスの観点で考慮すべき事項はありません。既存環境と同じディストリビューション・バージョンを選択することで、アプリケーションの互換性を維持しながらスムーズに移行できます。

Windows Server

さくらのクラウドでは、Windows Serverのライセンスを含んだパブリックアーカイブが提供されています。

利用可能なWindows Serverのバージョンの最新情報は公式サイトで確認してください。

料金体系は、選択するプランによって異なる月額課金となります。ライセンス費用はサーバ利用料に含まれるため、お客様がMicrosoftと別途ライセンス契約を結ぶ必要はありません。

エディションやプランについては公式サイトをご参照ください。

SPLA(Service Provider License Agreement)の持ち込みやボリュームライセンスの持ち込みついての可否は以下のようになります。公式サイトの説明も参照してください。

各プランにおける利用料金は公式サイトを参照してください。

用語解説

持ち込みの可否を判断するにあたり、以下の主要な用語を定義します。

  • SPLA (Services Provider License Agreement) マイクロソフトが提供する、サービスプロバイダー向けの月額ライセンスプログラムです。エンドユーザーにソフトウェアをサービスとして提供する場合(ホスティングなど)に利用されます。

  • SA (ソフトウェア・アシュアランス) ボリュームライセンスに追加できる保守プログラムです。これを付帯することで「ライセンス・モビリティ」という権利が得られ、オンプレミスで購入したライセンスを承認された共有ハードウェア(クラウド環境)へ持ち込むことが可能になります。

お客様で所有のライセンス

さくらのクラウド

期限付きライセンス(Microsoft365 等のサブスクリプションライセンス)

永続ライセンス(ソフトウェアアシュアランス有り)

永続ライセンス(ソフトウェアアシュアランス無し)

×

SPLA

さくらのクラウド

SALライセンス

ライセンス詳細と持ち込みの手順はライセンスの提供元にお問い合わせください。

Microsoft SQL Server

Microsoft SQL Serverについても、さくらのクラウドではライセンス込みのパブリックアーカイブが提供されています。

SQL Serverのライセンス費用も、Windows Serverと同様にサーバ利用料に含まれます。料金はサーバスペック(コア数・メモリ)に応じた月額課金となっています。

利用可能なバージョンおよびエディションやプランについては公式サイトをご参照ください。

移行時の注意点

さくらのクラウド側が提供するライセンスを利用する場合、既存ライセンスの契約更新タイミングや残存価値を考慮したうえで、移行スケジュールを計画することをお勧めします。

ライセンス詳細と持ち込みの手順はライセンスの提供元にお問い合わせください。

RHEL(Red Hat Enterprise Linux)

Red Hat Enterprise Linux(RHEL)は、商用サポート付きのLinuxディストリビューションであり、利用にはRed Hat社とのサブスクリプション契約が必要です。さくらのクラウドではライセンス込みのパブリックアーカイブが提供されています。

さくらのクラウドでは石狩第3ゾーンおよび東京第2ゾーンで提供されています。利用可能なバージョンは公式サイトを参照してください。

また以下のサーバプランで利用可能です。

  • コア専有プラン(Intel Xeon Processor) 2〜8コアのプラン

BYOL(お客様のサブスクリプションを持ち込む)

お客様がRed Hat社または認定リセラーと直接契約しているRHELサブスクリプション(Red Hat Cloud Access対応のもの)は、さくらのクラウドへBYOLとしては持ち込めません。また、cloud-init 対応パブリックアーカイブのみでの提供となり、 ディスク修正機能は非対応となります。

Oracle

Oracle製品(Oracle Database、Oracle WebLogic Serverなど)は、独自のライセンス体系を持っており、クラウド環境での利用には特に注意が必要です。

さくらのクラウドにおけるOracle製品の位置づけ

「さくらのクラウド」では、Oracle製品は使用できません。さくらインターネットのサービスでは「専用サーバPHY」および「ハウジングサービス」にてOracle製品を利用可能です。

推奨される対応方針

Oracle製品を使用している場合、さくらのクラウドへの移行にあたっては以下の選択肢を検討することをお勧めします。

  1. Oracle Cloud Infrastructure(OCI)への移行 Oracle社が提供するパブリッククラウドであり、Oracle製品のライセンス持ち込みが明示的にサポートされています。既存ライセンスを有効活用しつつ、クラウドのメリットを享受できます。

  2. さくらの専用サーバ PHY または ハウジングの利用 物理サーバを占有する形態であれば、従来どおりのライセンスカウントルールを適用できます。クラウドのようなリソース共有環境に起因するライセンス問題を回避できます。

  3. 他のデータベースへの移行 PostgreSQLやMySQLなどのオープンソースデータベース、あるいはさくらのクラウドで提供されているデータベースアプライアンスへの移行を検討します。アプリケーションの改修が必要になりますが、ライセンス費用の大幅な削減が見込めます。

移行時の注意点

Oracle製品の移行については、必ずOracle社または認定パートナーにライセンス条件を確認してください。ライセンス違反は、多額のペナルティにつながる可能性があります。

まとめ

OS / ミドルウェア

さくらのクラウドでの提供

BYOL対応

備考

Windows Server

○(ライセンス込み)

×

クラウド提供ライセンスを利用

Microsoft SQL Server

○(ライセンス込み)

×

クラウド提供ライセンスを利用

Linux(Ubuntu、AlmaLinuxなど)

○(パブリックアーカイブ)

ライセンス費用不要

RHEL

○(ライセンス込み)

×

クラウド提供ライセンスを利用

Oracle製品

×

非推奨

OCI、PHY、他DB移行

移行計画を立てる際は、この表を参考に、既存環境で使用しているライセンスの取り扱いを早期に確認することをお勧めします。