エンハンスドデータベース(Lab)

[更新: 2023年7月20日]

概要

「エンハンスドデータベース」は、Labプロダクトとして各種データベースシステムをマネージドサービスとして提供しています。 オープンソースで開発が進められているMySQLと高い互換性を持つ分散型のデータベースシステム「TiDB」や、同じくオープンソースで開発が進められているMySQL派生の「MariaDB」をご利用いただけます。

主な機能

エンハンスドデータベースでは以下のような機能を持ちます。

共通

  • 石狩リージョンおよび東京リージョンを選択可能
  • DBへアクセス可能なネットワークを制限できる送信元ネットワーク制限機能
  • さくらのクラウドコントロールパネル/APIからの操作による容易なリソース管理

TiDB

  • MySQLと高い互換性を持つSQL構文によるRDBMSの提供
  • 分散型アーキテクチャによる高い可用性
  • 利用規模の拡大や縮小によるキャパシティ設定が不要なスケーラビリティ

MariaDB

  • MySQLと高い互換性を持つSQL構文によるRDBMSの提供
  • 異なるゾーン間で冗長化を行うMulti-AZ構成

仕様

データベースシステムごとの仕様は以下の通りです。

  TiDB MariaDB
選択可能リージョン 石狩リージョン/東京リージョン 石狩リージョン/東京リージョン
提供形態 マルチテナント型(※1) マルチテナント型(※1)
提供バージョン 6.5 10.11
閉域網接続 不可(※2) 不可(※2)
作成可能数 TiDB・MariaDBの合計で
1アカウントあたり20個まで
TiDB・MariaDBの合計で
1アカウントあたり20個まで
通信暗号化 TLS通信に対応 TLS通信に対応
同時接続数 50(変更不可) 50(変更不可)
サーバ冗長化 対応 対応
Multi-AZ構成 未対応 対応(※3)
冗長切替方式 DNS(※4) DNS(※4)

注釈

※1 データベースインスタンスを論理分割して提供するため、パフォーマンスは混雑状況により変化する場合があります。
※2 弊社ネットワークからご利用の場合、DB通信は弊社バックボーンのみを通過し、インターネットは経由しません。
※3 準同期レプリケーションによりデータの冗長性を確保しているため、障害やメンテナンスによる系統切り替えの際、更新データの欠落は発生しません。なお、AZ切り替えにかかる時間は40秒程度となります。
※4 障害やメンテナンスによる系統切り替えの際、コントロールパネルに表示される接続先ホスト名が指し示すIPアドレスがDNSにより変化します。
既存のデータベースコネクションは切断されるため、お客様のアプリケーションによっては、一時的にエラーとなる場合があります。
データベースコネクションのタイムアウト、および接続リトライ処理をアプリケーションに実装いただくことを推奨します。

料金

エンハンスドデータベースは現在Labプロダクトとして提供されており、無償でご利用いただけます。Labプロダクトは実際の製品投入前の性能評価を目的とした環境となります。ご利用に際しては Labプロダクトとは のページに記載の注意事項をよくご確認の上ご利用ください。

利用方法

新規データベース作成

左側メニュー「LAB」カテゴリ内にある「エンハンスドDB」を選択します。右側に作成済みのエンハンスドDBがある場合はリスト表示されます。新規に作成する場合は「追加」ボタンをクリックします。

enhanced-db-01.png

新規エンハンスドDB作成画面が表示されるので、フォームに必要な項目を入力します。

enhanced-db-02.png
データベース名 データベースの名前を入力します。ここで入力されたデータベース名がMySQL互換クライアント接続時に指定するデータベース名となります。
※データベース名はさくらのクラウドのエンハンスドDBで一意となり、先に他のお客様が利用している場合などで利用できない場合は作成時にエラーとなります。その場合は他のデータベース名を指定してください。
データベース種別 データベース種別を選択します。
リージョン 利用したいエンハンスドDBの設置先リージョンを選択します。
※MariaDBのみ設置先リージョンごとに以下のMulti-AZ構成となります。
・石狩リージョンをご選択の場合:石狩第1ゾーン、石狩第2ゾーンでMulti-AZ構成
・東京リージョンをご選択の場合:東京第1ゾーン、東京第2ゾーンでMulti-AZ構成
同時最大接続数 データベースに同時に接続できる最大クライアント数を選択します。
※現在は「50」のみが選択可能です。
パスワード MySQL互換クライアントからデータベースに接続する際のパスワードを指定します。
※パスワードはデータベース作成後もコントロールパネル上から変更が可能です。
名前 コントロールパネル表示用のわかりやすい名前を指定することができます。
名前 / 説明 / タグ / アイコン 作成したエンハンスドDBごとに分かりやすい名前や説明などの情報を付与することができます。

入力後、「作成」ボタンをクリックすることでエンハンスドDBの作成が開始されます。作成が完了すると作成済みデータベースのリストに追加されます。

データベースへの接続

作成されたデータベースのリスト画面から対象のデータベースをダブルクリックし詳細画面を表示します。

enhanced-db-03.png

接続先情報が表示されるので、この情報をもとにMySQL互換クライアントから接続を行います。

接続例

データベース名が exampledb001 、 接続先ホスト名が enhanced-db.sacloud.example.jp の場合

$ mysql -h enhanced-db.sacloud.example.jp -D exampledb001 -u exampledb001 -p

パスワード入力プロンプトでデータベースに設定したパスワードを入力することで接続が完了します。

送信元ネットワークの制限

データベースへ接続できるネットワークを制限することができます。リスト画面から制限したい対象のデータベースを選択後、「データベースの変更」ボタンをクリックします。

enhanced-db-04.png

「送信元ネットワークを制限する」にチェックを入れ、IPアドレスまたはIPアドレス範囲を入力し、「更新」ボタンをクリックします。
※送信元ネットワークは複数指定可能です。

enhanced-db-05.png

パスワード変更

作成した各エンハンスドDB接続用のパスワードを変更することができます。リスト画面から対象のデータベースを選択後、「接続パスワード変更」ボタンをクリックします。

enhanced-db-06.png

表示されたダイアログボックスに変更したいパスワードを入力し、「更新」ボタンをクリックします。

enhanced-db-07.png

データベースの削除

作成されたデータベースは削除ボタンをクリックすることにより削除することができます。

注意

一度削除操作を行なったデータベースは復元することはできません。十分注意の上、操作を行なってください。