オープンソースデータベースからの移行

[更新:2026年4月3日]

MySQL、MariaDB、PostgreSQLなどのオープンソースデータベースは、ライセンスの制約がなく、柔軟な移行が可能です。さくらのクラウドでは、通常のサーバ上にデータベースを構築する方法に加え、マネージドサービスである「データベースアプライアンス」を利用する選択肢があります。

移行先の選択肢

選択肢1:さくらのクラウド上のサーバにデータベースを構築

従来どおり、仮想サーバ上にデータベースソフトウェアをインストールして運用する方式です。

メリット

  • データベースの設定を細かくカスタマイズできる

  • 任意のバージョン、拡張機能を使用できる

  • 既存環境との構成差異を最小化できる

デメリット

  • OS、データベースソフトウェアの運用管理が必要

  • バックアップ、監視、パッチ適用などを自前で実施する必要がある

  • 冗長構成の設計・構築が必要

適したケース

  • 特定バージョンや特殊な設定が必要な場合

  • 既存の運用ノウハウを活かしたい場合

  • データベースアプライアンスで提供されていない機能が必要な場合

選択肢2:データベースアプライアンスを利用

さくらのクラウドが提供するマネージドデータベースサービスを利用する方式です。データベースアプライアンスでは、以下のデータベースエンジンが提供されています。

  • MariaDB

  • PostgreSQL

メリット

  • データベースの運用管理をさくらのクラウドに任せられる

  • 自動バックアップ機能が標準提供される

  • レプリケーションによる冗長構成が容易に構築できる

  • 監視機能が組み込まれている

デメリット

  • 利用できるデータベースエンジン、バージョンが限定される

  • 細かな設定のカスタマイズに制限がある場合がある

  • 追加のコストが発生する

  • コンソール操作はできません

  • お客様独自のアプリケーションをインストールすることはできません

適したケース

  • データベース運用の負荷を軽減したい場合

  • 高可用性構成を簡単に実現したい場合

  • 標準的な構成で問題ない場合

データベースアプライアンスの主な機能

さくらのクラウドのデータベースアプライアンスは、以下の機能を提供しています。

機能

説明

自動バックアップ

自動バックアップを実行、世代管理が可能

レプリケーション

冗長化オプションが利用可能

監視

メモリやディスクの利用量をアクティビティ画面より確認可能

スケールアップ

プラン変更によるスペック増強が可能

接続制限

接続元IPアドレスによるアクセス制御が可能

データベースクラスタ

Galera Clusterを用いた同期レプリケーション型クラスター(MariaDBのみ)

移行手順(サーバ上にデータベースを構築する場合)

MySQL / MariaDBの移行

  1. 現行環境でのエクスポート

  2. さくらのクラウドでサーバを作成

    • 適切なスペックのサーバを作成

    • MySQL / MariaDBをインストール

  3. 設定ファイルの移行

    • my.cnf(またはmy.ini)の設定を確認・移行

    • 文字コード、照合順序、バッファサイズ等の設定を反映

  4. データのインポート

  5. ユーザー権限の確認・再設定

    • 接続元ホストの変更に伴う権限設定の見直し

  6. 動作確認

    • アプリケーションからの接続テスト

    • クエリの実行確認

PostgreSQLの移行

  1. 現行環境でのエクスポート

  2. さくらのクラウドでサーバを作成

    • 適切なスペックのサーバを作成

    • PostgreSQLをインストール

  3. 設定ファイルの移行

    • postgresql.confの設定を確認・移行

    • pg_hba.confのアクセス制御設定を確認・移行

  4. データのインポート

  5. 動作確認

    • 接続テスト、クエリ実行確認

移行手順(データベースアプライアンスを利用する場合)

  1. データベースアプライアンスの作成

    • さくらのクラウドのコントロールパネルからデータベースアプライアンスを作成

    • データベースエンジン(MariaDB / PostgreSQL)を選択

    • プラン(スペック)を選択

    • 接続用パスワードを設定

    • 接続を許可するネットワークを設定

  2. 接続情報の確認

    • 作成完了後、接続先ホスト名、ポート番号を確認

  3. データのインポート

    • mysqldumpまたはpg_dumpで取得したバックアップをインポート

    • データベースアプライアンスへはネットワーク経由で接続してインポート

  4. アプリケーションの接続設定変更

    • 接続先をデータベースアプライアンスに変更

    • 接続テスト

  5. 自動バックアップの設定確認

    • バックアップスケジュール、保持世代数を確認

移行時の注意事項

  • 文字コードの確認 移行元と移行先で文字コード設定が一致しているか確認してください。不一致の場合、文字化けが発生する可能性があります。

  • バージョン差異の確認 データベースのメジャーバージョンが異なる場合、非互換の機能や廃止された機能がないか確認してください。

  • 性能の確認 移行後は必ず性能テストを実施し、クエリの実行時間やスループットが許容範囲内であることを確認してください。

  • 大規模データベースの移行 データ量が大きい場合、ネットワーク経由の移行には時間がかかります。以下の対策を検討してください。

    • 圧縮オプションの使用

    • 並列ダンプ・リストアの使用(pg_dump/pg_restoreの-jオプション等)

    • 初期データは物理メディアで搬送し、差分のみネットワーク同期