ファイアウォールのインサイドインターフェースにお客様指定のプライベートIPアドレスをアタッチする方法

[更新: 2025年4月22日]

概要

ファイアウォールにて専用グローバルネットワークをNAT変換用に設定することで、ファイアウォールのインサイド
インターフェースにお客様指定のプライベートIPアドレスをアタッチし、インターネットから直接アクセスができない
構成をとることが可能です。
この項目では、Ubuntu 24.04とファイアウォールの管理GUIを利用した設定方法を解説します。

前提条件・事前準備

ファイアウォールを利用するためには以下のご契約が必要となります。

  • 専用グローバルネットワーク
  • ファイアウォール
ファイアウォールのインサイドインターフェースへ下記のプライベートIPアドレスブロックを自由に割り当てることが
できます。
利用できる範囲から割り当てるIPアドレスブロックと、IPアドレス(アクティブとスタンバイ)を決めて、手元に準備
してください。
(ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスとなるIPアドレスはご利用いただけません。)

  • 10.0.0.0/8
  • 172.16.0.0/12
  • 192.168.0.0/16

作業の流れ

ファイアウォールのインサイドインターフェースにお客様指定のプライベートIPアドレスをアタッチするためには以下の
設定が必要となります。

  1. コントロールパネルからサーバのインターフェースを変更し、専用グローバルネットワークに接続します。
  2. コントロールパネルからファイアウォールのNAT機能を有効にします。
  3. コントロールパネルからファイアウォールの管理パスワードを設定します。
  4. サーバ側のネットワークの設定をします。
  5. サーバからファイアウォールへSSHで接続し、作業端末から管理GUIへのアクセスを許可します。
  6. 管理GUIをインストールします。
  7. 管理GUIにて、NATの設定を行います。

注意事項

  • 専用グローバルネットワークをNAT変換用アドレスに設定したファイアウォールとロードバランサーの併用はできません。

設定手順

コントロールパネルの設定

  1. コントロールパネルからサーバのインターフェースを変更し、専用グローバルネットワークに接続します。
    左メニュー「サーバー」より任意のサーバーを選択、「編集」メニューから「インターフェース設定」へ
    スクロールします。
    ネットワーク接続を任意の専用グローバルネットワークへ変更します。くわしい操作は ネットワーク接続
    「複数のネットワーク接続手順」をご覧ください。
    設定項目

    ポート選択モード

    「アクセスポート」を選択します。

    ネットワーク接続

    接続する専用グローバルネットワークを選択します。

  2. コントロールパネルからファイアウォールのNAT機能を有効にします。
    コントロールパネル画面左メニューより「ファイアウォール」をクリックします。
    ファイアウォール一覧から任意のファイアウォールに対して新規接続をします。
    接続先の専用グローバルネットワークを指定し、「専用グローバルネットワークをNAT変換用に設定する」を
    選択してください。
    くわしい操作は ファイアウォールのセットアップ の「専用グローバルネットワークをNAT変換用に設定する」を
    ご覧ください。

    設定項目

    インサイドIPアドレス - アクティブ

    インサイドインターフェースに割り当てるプライベートIPアドレスを入力します。

    このIPアドレスがインサイドネットワークのデフォルトゲートウェイとなります。

    インサイドIPアドレス - スタンバイ

    インサイドインターフェースに割り当てるプライベートIPアドレスを入力します。

    インサイドIPアドレスのプレフィックス長

    /8 から /29 のいずれかを選択します。

  3. コントロールパネルからファイアウォールの管理パスワードを設定します。
    コントロールパネル画面左メニューより「アプライアンス」の「ファイアウォール」をクリックします。
    任意のファイアウォールの設定をクリックし、設定から「管理ユーザー設定」をクリックし、管理パスワードを
    設定します。
    くわしい操作は ファイアウォールのセットアップ の「管理パスワードを設定する」をご覧ください。

サーバーの設定

次に、サーバー側のネットワークを設定します。
  1. サーバ側のネットワークの設定をします。サーバに任意のプライベートIPアドレスを設定します。
    OS別にネットワークの設定をご紹介しますので、くわしい操作は OSセットアップ仕様書 をご覧ください。
    サーバにはインサイドIPアドレスに設定したプライベートIPアドレスブロックから任意に選び設定してください。
    ゲートウェイアドレスはインサイドIPアドレス - アクティブ に設定したアドレスを設定してください。

/etc/netplan/01-netcfg.yaml(Ubuntu 24.04)
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
      eth0:
         dhcp4: no
      eth1:
         dhcp4: no
bonds:
      bond0:
         dhcp4: no

         # for IPv4/IPv6
         addresses:
         - 192.168.0.3/16
         routes:
         - to: default
            via: 192.168.0.1/16
         nameservers:
            addresses:
                  ...

         interfaces:
         - eth0
         - eth1
         parameters:
            mode: 802.3ad
            mii-monitor-interval: 1s
            lacp-rate: slow
            min-links: 1
            transmit-hash-policy: layer2+3

管理GUIの設定

  1. 管理ツール(管理GUI)のアクセス許可を設定します。サーバーを介してファイアウォールに接続し、コマンドラインで
    接続許可設定を行います。
    くわしい操作は ファイアウォールのセットアップ の「管理ツール(管理GUI・管理CLI)のアクセス許可を設定する」をご覧ください。
  2. コントロールパネルより管理GUIをインストールします。くわしい操作は オペレーションマニュアル の「インストール」 をご覧ください。
  3. 管理ツールよりNATを設定します。くわしい操作は オペレーションマニュアル の「管理ツール(GUI)」をご覧ください。

おわりに

インターネットに公開しているグローバルIPへ疎通確認をします。初期状態ではpingのみが許可されています。
疎通確認の方法に応じて、許可するプロトコルを追加します。
くわしい操作は オペレーションマニュアル の「アクセスリストの設定(GUI)」をご覧ください。

まとめ

今回はNAT機能を利用してファイアウォールのインサイドインターフェースにお客様指定のプライベートIPアドレスをアタッチする方法をご紹介しました。

さくらの専用サーバ PHY ファイアウォールではVPN接続機能も利用いただけるので、専用サーバ PHYと他拠点間をつないだネットワーク構築もご提案できます。ぜひお客様のビジネスにお役立てください。