コントロールパネル操作ガイド
[更新日:2025年2月4日]
AppRun β コントロールパネルを使用して、アプリケーションの作成、管理を行うことができます。
基本レイアウト
AppRun β コントロールパネルは以下の3つの領域で構成されています。

①共通ヘッダー – 上部のメニュー。右から左に以下の機能を提供します。
アカウント:クラウドホーム、会員メニュー、ログアウトのためのリンク
その他のメニュー:さくらの各種サービスへのリンク
ヘルプ:よくある質問、お問い合わせへのリンク
メンテナンス・障害情報:直近の各情報と過去の情報へのリンク
お知らせ:AppRun関連のニュースと過去の情報へのリンク
マニュアル:本マニュアルへのリンク
アプリケーション作成:新規アプリケーションの作成ボタン
②サイドメニュー – 左側のメニュー。以下の項目にアクセスできます。
アプリケーション:作成したアプリケーションの一覧へのリンク
コンテナレジストリ:さくらインターネットが提供するコンテナレジストリへのリンク
β版における注意事項と制限事項:サービスの利用規約等へのリンク
フィードバック:コントロールパネルへのフィードバック送信ボタン
③アプリケーション – 中央の主要領域。一覧画面では作成済みのアプリケーション情報が表示されます。初回ログイン時やアプリケーションがない場合は、「プラットフォーム上でコンテナを使って実行できるサービスです」というメッセージと「アプリケーションを作成」ボタンが表示されます。
アプリケーション新規作成
アプリケーションの新規作成は、以下のいずれかの方法で開始できます。
共通ヘッダーの「アプリケーション作成」ボタン
アプリケーション一覧画面右上の「アプリケーションの作成」ボタン
アプリケーション一覧が空の場合の画面中央の「アプリケーションを作成」ボタン
いずれの方法でも同じアプリケーション作成画面が表示されます。
アプリケーションの設定

アプリケーション名
入力項目:アプリケーションの名前
説明:アプリケーションを識別・管理するための名前を入力します。
補足:作成後の変更はできません。慎重に設定してください。
ポート設定
入力項目:ポート番号
設定範囲:1~65535
デフォルト値:80
説明:アプリケーションがリクエストを待ち受けるポート番号を指定します。
注意:一部のポート番号はシステムで予約されており使用できません。詳しくは 技術概要 の「アプリケーションの制限」をご参照ください。
自動スケーリング
入力項目:アプリケーション全体の最大スケール数
設定範囲:最小1~最大10
デフォルト値:1
説明:アプリケーション全体での最大同時実行インスタンス数を指定します。
補足:負荷に応じて自動的にスケールアップ/ダウンします。
リクエスト
入力項目:リクエストタイムアウト時間
設定範囲:1~300秒(Seconds)
デフォルト値:300
説明:クライアントからのリクエストに対する処理の制限時間を指定します。
補足:指定時間を超えた場合、タイムアウトエラーが返されます。
注釈
ポート設定、自動スケーリング、リクエストの設定は、アプリケーション作成後も変更可能です。
スケール数は実際の負荷状況に応じて自動的に調整されます。
ポート番号は、使用するアプリケーションの要件に合わせて設定してください。
コンテナの構成情報(コンテナ)

コンテナイメージ
入力項目:コンテナレジストリに登録されているコンテナイメージ
入力例:example.sakuracr.jp/hello:latest
説明:コンテナレジストリに登録済みのイメージを指定します。
コンテナレジストリサーバー認証設定(任意)
ユーザー名:コンテナレジストリのユーザー名
パスワード:コンテナレジストリのパスワード
補足:コンテナレジストリの公開設定を「非公開」にしている場合、認証情報の入力が必要です。
リソース
メモリー
選択項目:256MiB、512MiB、1GiB、2GiB
説明:このコンテナの各インスタンスに割り当てるメモリー
リソースの制限:1GiB以上のメモリーを使用する場合は0.5コア以上が必要です。
vCPU
選択項目:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0
説明:このコンテナの各インスタンスに割り当てるvCPUのコア数
リソースの制限:0.5コア以上を利用する場合は1GiB以上のメモリーが必要です。
ヘルスチェック
パス
入力項目:ヘルスチェック用のパス
入力例:/health
説明:コンテナの死活監視に使用するエンドポイントのパス
重要:
10秒間隔で自動的にヘルスチェックを実行します。
コンテナイメージ側にヘルスチェック用のエンドポイントを実装することで利用可能です。
ヘルスチェックを利用しない場合は、この項目を空にしてください。
ポート
入力項目:ヘルスチェック用のポート番号
デフォルト値:80
説明:ヘルスチェックリクエストを受け付けるポート番号
リクエストヘッダー
名前:ヘッダーフィールド名
値:ヘッダーフィールドの値
操作方法:
「+リクエストヘッダーを追加」で追加可能(最大5個まで設定可能)
「削除」ボタンで不要なヘッダーを削除
補足:ヘッダーの追加は任意ですが、追加した場合は名前と値の入力が必須となります。
構成名
入力項目:コンテナイメージ名から自動生成されますが、編集可能です。
説明:コンテナの設定内容を識別するための名前
注釈
メモリーとvCPUの設定は、指定した組み合わせによってエラーが表示される場合があります。
ヘルスチェックは必要に応じて設定してください。
コンテナの構成情報(変数)

変数タブを選択すると、コンテナの環境変数を設定することができます。
環境変数
入力形式:名前(キー)と値のペアで指定
最大設定数:50個まで
操作方法
環境変数の追加:「+変数を追加」ボタンをクリック
環境変数の削除:各行の右側にある×ボタンをクリック
設定のポイント
名前と値は両方とも必須入力です。
コンテナ起動時に環境変数として設定されます。
追加した環境変数は、コンテナ内のアプリケーションから参照可能です。
利用例
アプリケーションの動作モード設定
名前:ENV
値:production
データベース接続情報
名前:DB_HOST
値:xxx.xxx.xxx.xxx
APIキーの設定
名前:API_KEY
値:xxxxxxxxxxxxxx
注釈
機密情報(パスワードやAPIキーなど)を環境変数として設定する場合は、適切なセキュリティ対策を行ってください。
パケットフィルターの設定

パケットフィルターを設定することで、特定のIPアドレスからのアクセスのみを許可することができます。
利用設定
選択肢:「利用しない」「利用する」
デフォルト:「利用しない」
説明:パケットフィルターの有効/無効を切り替えます。
許可する送信元IPアドレス
IPアドレス入力欄:IPv4形式で入力(例:192.168.1.0)
プレフィックス長:1~32の範囲で指定
入力例:
単一のIPアドレス:192.168.1.1/32
ネットワーク範囲:192.168.1.0/24
最大設定数:5個まで
操作方法:
追加:「+許可する送信元IPアドレスを追加」ボタン
削除:各行の右側にある×ボタン
設定のポイント
パケットフィルターを「利用する」に設定した場合、少なくとも1つのIPアドレスの設定が必要です。
設定したIPアドレス範囲以外からのアクセスは すべて拒否 されます。
社内からのアクセスに制限する場合は、社内ネットワークのグローバルIPアドレスを設定してください。
入力例
単一オフィスからのアクセス制限:
203.0.113.10/32(特定のIPアドレスのみ)
複数拠点からのアクセス許可:
203.0.113.0/24(東京オフィス網)
198.51.100.0/24(大阪オフィス網)
開発環境からのアクセス:
192.0.2.0/24(開発用ネットワーク)
注釈
パケットフィルターの設定を誤ると、正常なアクセスもブロックされる可能性があります。
設定変更前に、指定するIPアドレス範囲を十分確認してください。
アプリケーションの公開URLへのアクセスにのみ影響します。
注釈
設定完了後、画面下部の「作成する」ボタンをクリックすることで設定が反映されます。
アプリケーション一覧

アプリケーション一覧では、作成したすべてのアプリケーションを確認・管理することができます。
一覧の表示項目と機能
チェックボックス:複数選択による一括操作が可能
1つ以上選択すると「削除」ボタンが活性化
選択したアプリケーションをまとめて削除可能
アプリケーション名
リンクをクリックで詳細画面へ遷移
列名の▼マークをクリックで名前順での並び替えが可能
ステータス:アプリケーションの現在の状態を表示
処理中:ローディングの回転アイコン(作成直後の初期状態)
正常:緑色のアイコン(正常稼働中)
失敗:赤色のアイコン(エラー発生)
作成日時
アプリケーションの作成日時を表示
列名の▼マークをクリックで日時順での並び替えが可能
操作メニュー
画面右側の「︙」をクリックすると、以下の操作メニューが表示されます。
詳細ページに移動:アプリケーションの詳細設定画面へ遷移
トラフィックを管理:トラフィック分散の設定画面へ遷移
公開URLに移動:アプリケーションの公開URLを新しいタブで開く
削除:アプリケーションの削除を実行
画面右上の「+アプリケーションの作成」ボタンから、新規アプリケーションを作成することができます。
注釈
一括削除した場合、選択したすべてのアプリケーションが削除されます。
削除したアプリケーションは元に戻すことができません。
ステータスが「処理中」の場合は、数分お待ちいただいたあとにブラウザを更新してください。
アプリケーション詳細

アプリケーション詳細画面では、選択したアプリケーションの情報を確認できます。画面上部には、以下の情報が表示されます。
ヘッダー情報
アプリケーション名:選択したアプリケーションの名前
ステータス:現在の状態(正常、処理中、失敗)
公開URL:アプリケーションにアクセスするためのURL(クリックで新しいタブで開く)
操作ボタン
トラフィック管理:トラフィック分散設定画面への遷移
アプリケーション構成を変更してデプロイ:新規バージョン作成画面への遷移
タブメニュー
基本情報:現在の設定内容の確認(現在の画面)
バージョン情報:デプロイ履歴の確認
パケットフィルター:アクセス制限の設定
基本情報
基本情報タブでは、以下の情報を確認できます。
設定情報
作成日時:アプリケーションの作成日時
ポート:設定されているポート番号
自動スケーリング:
最小スケール数
最大スケール数
リクエストのタイムアウト:設定された制限時間
コンテナ情報
構成名:コンテナの設定を識別する名前
デプロイソース:使用しているコンテナイメージ
メモリー:割り当てられているメモリー容量
vCPU:割り当てられているvCPUのコア数
ヘルスチェック:設定状況(設定済み/未設定)
環境変数:設定状況(変数なし/設定済みの変数一覧)
画面下部の「アプリケーション削除」ボタンから、アプリケーションを完全に削除することができます。
注釈
基本情報は閲覧のみ可能で、この画面からは直接編集できません。
設定を変更する場合は「アプリケーション構成を変更してデプロイ」ボタンから実行してください。
公開URLは、アプリケーションが正常に稼働している場合のみアクセス可能です。
バージョン情報

バージョン情報タブでは、アプリケーションの各バージョンの管理と確認ができます。
バージョン一覧
一覧には以下の情報が表示されます。
チェックボックス:複数選択による一括操作が可能
選択したバージョンをまとめて削除可能
トラフィックが割り当てられているバージョンは削除不可
アプリケーションには最低1つのバージョンが必要
バージョン名:自動採番された一意の名前
クリックで各バージョンの詳細画面へ遷移
列名の▼マークをクリックでバージョン名順での並び替えが可能
ステータス:各バージョンの状態を表示
処理中:ローディングの回転アイコン
正常:緑色のアイコン
失敗:赤色のアイコン
トラフィック:分散するトラフィックの割合
0%~100%で表示
「最新にルーティング」の表示は最新バージョンであることを示す
作成日時:バージョンが作成された日時
列名の▼マークをクリックで日時順での並び替えが可能
操作メニュー
各バージョンの右側の「︙」から以下の操作が可能です。
詳細ページに移動:バージョン詳細画面への遷移
トラフィックを管理:トラフィック分散の設定
削除:バージョンの削除(トラフィック未割当時のみ)
注釈
バージョンは「アプリケーション構成を変更してデプロイ」から新規作成できます。
トラフィックが割り当てられているバージョンは削除できません。
アプリケーションを継続して実行するため、最低1つのバージョンは必須です。
バージョン一覧は、バージョン名または作成日時でソートできます。
バージョン詳細

バージョン詳細画面では、特定のバージョンの設定内容を確認できます。
ヘッダー情報
バージョン名:自動採番された一意の名前
ステータス:現在の状態を表示(正常、処理中、失敗)
操作ボタン
トラフィック管理:トラフィック分散設定画面への遷移
バージョンをコピーしてデプロイ:現在のバージョンの設定を引き継いで新規バージョンを作成
設定情報
作成日時:バージョンの作成日時
ポート:設定されているポート番号
自動スケーリング:
最小スケール数の設定値
最大スケール数の設定値
リクエストのタイムアウト:設定された制限時間
コンテナ情報
構成名:コンテナの設定を識別する名前
デプロイソース:使用しているコンテナイメージ
メモリー:割り当てられているメモリー容量
vCPU:割り当てられているvCPUのコア数
ヘルスチェック:設定状況(設定済み/未設定)
環境変数:設定状況(変数なし/設定済みの変数一覧)
画面下部の「バージョン削除」ボタンから、このバージョンを削除することができます(トラフィックが割り当てられていない場合のみ)。
注釈
バージョン詳細は閲覧のみ可能で、この画面からは直接編集できません。
設定を変更する場合は「バージョンをコピーしてデプロイ」から新しいバージョンを作成してください。
トラフィックが割り当てられているバージョンは削除できません。
アプリケーション構成変更(バージョン作成)

アプリケーションの新しいバージョンを作成する画面です。以下の2つの方法でアクセスできます。
アプリケーション詳細画面の「アプリケーション構成を変更してデプロイ」ボタン
バージョン詳細画面の「バージョンをコピーしてデプロイ」ボタン
バージョン作成時の注意点
最後にデプロイしたアプリケーションの構成情報と今回の構成情報が同一の場合は、新しいバージョンは作成されません。
設定項目は新規作成時と同じですが、選択した元の設定内容が引き継がれた状態で表示されます。
アプリケーション詳細からの場合は最新バージョンの設定が、バージョン詳細からの場合は選択したバージョンの設定が初期値となります。
設定可能な項目
アプリケーション新規作成時と同様に以下の項目を設定できます。
ポート設定
自動スケーリング
リクエストタイムアウト
コンテナの構成情報
コンテナイメージ
レジストリ認証情報
リソース設定
ヘルスチェック
環境変数
パケットフィルター
トラフィック設定のオプション
画面下部に以下のオプションがあります。
「このバージョンをすぐに利用する」チェックボックス
チェックを入れると、デプロイ完了後すぐにトラフィックの100%が新バージョンに割り当てられます。
チェックを入れない場合、他のバージョンのトラフィック設定はそのままで、新バージョンには0%が割り当てられます。
操作ボタン
更新する:設定を保存し、新しいバージョンを作成
キャンセル:バージョン作成をキャンセルして前の画面に戻る
注釈
バージョン作成後、デプロイが完了するまでしばらく時間がかかります。
デプロイ中は新しいバージョンのステータスが「処理中」と表示されます。
構成の変更がない場合は、バージョンは作成されません。
トラフィック管理

トラフィック管理画面では、複数のバージョン間でトラフィックを分散させる設定を行うことができます。
画面へのアクセス方法
以下の4つの方法でアクセス可能です。
アプリケーション一覧の操作メニュー(︙)から「トラフィックを管理」を選択
アプリケーション詳細画面上部の「トラフィック管理」ボタン
バージョン一覧の操作メニュー(︙)から「トラフィックを管理」を選択
バージョン詳細画面上部の「トラフィック管理」ボタン
※バージョンからアクセスした場合、そのバージョンが選択された状態で画面が表示されます。
トラフィック分散の設定
各バージョンに対して以下の設定が可能です。
バージョンの選択
プルダウンメニューから特定のバージョンを選択
「最新のバージョン」を選択すると、常に最新バージョンが対象となります。
トラフィックの割合
0~100%の範囲で指定
現在の設定値が(現状: XX%)と表示されます。
削除ボタン(×)
分散設定から該当バージョンを削除
操作ボタン
+バージョンを追加:新しいバージョンをトラフィック分散の対象に追加
送信:設定を適用
キャンセル:変更を破棄して前の画面に戻る
注意事項
全てのバージョンのトラフィック合計が100%になるように設定する必要があります。
合計が100%を超える、または100%未満の場合はエラーメッセージが表示されます。
最大で4つのバージョンまでトラフィックを分散させることができます。
注釈
トラフィックの更新が完了すると、右下に「トラフィックの更新が完了しました。」という通知が表示されます。
トラフィックの分散設定は即時に反映されます。
一度設定したトラフィック分散は、再度変更するまで維持されます。
トラフィックが割り当てられているバージョンは削除できません。
パケットフィルター

パケットフィルター設定画面では、アプリケーションへのアクセス制御の設定を行うことができます。
画面へのアクセス方法
アプリケーション詳細画面のタブメニューから「パケットフィルター」を選択
表示される画面の右上にある「パケットフィルターの設定」ボタンをクリック
この手順で設定画面が表示され、パケットフィルターの設定が行えるようになります。
パケットフィルターの設定項目
利用設定
選択肢:「利用しない」「利用する」
デフォルト:「利用しない」
説明:パケットフィルターの有効/無効を切り替えます。
許可する送信元IPアドレス
IPアドレス入力欄:IPv4形式で入力(例:192.168.1.0)
プレフィックス長:1~32の範囲で指定
入力例:
単一のIPアドレス:192.168.1.1/32
ネットワーク範囲:192.168.1.0/24
最大設定数:5個まで
操作方法:
追加:「+許可する送信元IPアドレスを追加」ボタン
削除:各行の右側にある×ボタン
操作ボタン
保存:設定を保存して適用
キャンセル:変更を破棄して設定前の状態に戻す
設定のポイント
IPアドレスは正しいIPv4形式で入力する必要があります。
プレフィックス長は、アドレスの範囲を指定します。
/32:単一のIPアドレス
/24:より広い範囲(例:256個のアドレス)
アクセス制限は、設定したIPアドレス範囲からのアクセスのみを許可します。
注釈
パケットフィルターの設定は、アプリケーションの公開URLへのアクセスにのみ影響します。
設定の変更は即時に反映されます。
設定を誤るとアクセスができなくなる可能性があるため、IPアドレスは慎重に確認してください。
一度設定を有効にすると、設定したIPアドレス以外からのアクセスは遮断されます。
注釈
AppRunの機能をAPI経由で利用する場合は、APIリファレンス をご参照ください。