回線速度¶
さくらのVPS において、不特定のVPS収容ホストとクライアント環境(プロバイダ等)の組み合わせにより、 さくらのVPS からのダウンロード方向の通信に遅延が発生する場合があります。
http・ftp・scp等でのファイルのダウンロード速度が極端に遅い。
ファイルをダウンロード中に通信が切断される。
ホームページの静的なコンテンツ表示に異常に時間がかかる。
上記のような現象が確認された場合、設定変更を行うことで回避できる場合があります。
CentOS¶
以下の手順は root として操作する必要があります。
ethtool コマンドの実行¶
ethtool コマンドにて tcp segmentation offload を off に設定します。
# ethtool -K eth0 tso off
上記設定は再起動を行うと無効になります。
設定の確認¶
下記のコマンドで tcp segmentation offload: off になっていることを確認します。
# ethtool -k eth0
Offload parameters for eth0:
rx-checksumming: on
tx-checksumming: on
scatter-gather: on
tcp-segmentation-offload: off
udp-fragmentation-offload: off
generic-segmentation-offload: on
generic-receive-offload: off
large-receive-offload: off
Ubuntu¶
ethtoolのインストール¶
Ubuntuの標準ではethtoolコマンドがインストールされていない為、ethtoolパッケージのインストールから行う必要があります。
$ sudo aptitude install ethtool
設定の確認¶
下記のコマンドで tcp segmentation offload: off になっていることを確認します。
$ sudo ethtool -k eth0
Offload parameters for eth0:
rx-checksumming: on
tx-checksumming: on
scatter-gather: on
tcp-segmentation-offload: off
udp-fragmentation-offload: off
generic-segmentation-offload: on
generic-receive-offload: off
large-receive-offload: off
Debian¶
以下の手順は root として操作する必要があります。
ethtoolのインストール¶
Debianの標準ではethtoolコマンドがインストールされていない為、ethtoolパッケージのインストールから行う必要があります。
# aptitude install ethtool
設定の確認¶
下記のコマンドで tcp segmentation offload: off になっていることを確認します。
# ethtool -k eth0
Offload parameters for eth0:
rx-checksumming: on
tx-checksumming: on
scatter-gather: on
tcp-segmentation-offload: off
udp-fragmentation-offload: off
generic-segmentation-offload: on
generic-receive-offload: off
large-receive-offload: off
Fedora¶
以下の手順は root として操作する必要があります。
ethtoolのインストール¶
FedoraのMinimumインストールではethtoolコマンドがインストールされていない為、ethtoolパッケージのインストールから行う必要があります。
# yum -y install ethtool
ethtool コマンドの実行¶
ethtool コマンドにて tcp segmentation offload を off に設定します。
# ethtool -K eth0 tso off
上記設定は再起動を行うと無効になります。
設定の確認¶
下記のコマンドで tcp segmentation offload: off になっていることを確認します。
# ethtool -k eth0
Offload parameters for eth0:
rx-checksumming: on
tx-checksumming: on
scatter-gather: on
tcp-segmentation-offload: off
udp-fragmentation-offload: off
generic-segmentation-offload: on
generic-receive-offload: off
large-receive-offload: off
FreeBSD¶
以下の手順は root として操作する必要があります。
現在の情報を確認する¶
下記のコマンドでtsoの現在の状態を確認します。
# sysctl net.inet.tcp.tso
net.inet.tcp.tso: 1
結果が1の場合、TSOは有効になっています。0の場合は、無効です。
追加設定¶
TSOを無効化した後にも、特定のクライアント、ネットワーク経路からのアクセスに時間がかかる場合は、以下の方法を合わせてお試ください。
設定対象 |
sysctl net.inet.tcp.inflight.enable |
---|
現在の情報を確認する¶
下記のコマンドで現在の状態を確認します。
# sysctl net.inet.tcp.inflight.enable
net.inet.tcp.inflight.enable: 1
デフォルト時の設定値は「1」となります。
コマンドの実行¶
sysctlコマンドで設定値を「0」に変更します。
# sysctl net.inet.tcp.inflight.enable=0
net.inet.tcp.inflight.enable: 1 -> 0
設定ファイルの作成¶
再起動後も設定を有効にする為に、/etc/sysctl.confに下記の記述を追加します。
ファイル名 |
/etc/sysctl.conf |
---|---|
追加内容 |
net.inet.tcp.inflight.enable=0 |