共有セグメントにサーバを配置したベーシックな構成
[更新日:2025年09月30日]
「共有セグメントにサーバを配置したベーシックな構成」は、コスト効率とシンプルさを兼ね備えています(図1)。初期費用を抑えたい場合や、複雑なネットワーク設定が不要なシステムに最適な選択肢です。

構成の概要と主なメリット
この構成の最大の特長は、追加のネットワーク費用が発生しない点にあります。サーバとディスクの料金のみでサービスを利用できるため、非常にシンプルで明確なコスト構造を実現できます。
主なメリットは以下のとおりです。
高い費用対効果: ネットワーク関連のコストが無料のため、運用費用を大幅に削減できます。最小構成であれば、月額1,980円から利用可能です。
シンプルな管理: 複雑なネットワーク設計やルーティング設定が不要です。これにより、システム管理者の負担が軽減されます。
迅速な導入: 共有セグメントは、特別な設定なしにサーバを配置できます。そのため、迅速なシステム展開が可能です。
ベーシックな構成例の活用
この構成は、Webサイトやブログ、小規模なアプリケーションサーバなど、幅広い用途で活用できます。具体的な活用例を以下に示します。
Webサーバとしての利用: 複数の仮想サーバを共有セグメントに配置し、それぞれのサーバでWebコンテンツをホスティングします。トラフィックが増えた場合は、サーバのスケールアップなどを検討してください。
開発・検証環境: 開発チームやテストチームが個別に利用する環境として、手軽にサーバを立ち上げることが可能です。本番環境とはネットワーク構成が異なるため、誤操作のリスクを低減します。
バックアップ・アーカイブサーバ: 共有セグメントのサーバを、他のシステムのバックアップデータ保管場所として利用できます。オブジェクトストレージとの組み合わせで、大量のデータを効率的に管理可能です。
スケールアップ・スケールアウトへの対応
このベーシックな構成は、将来の成長にも対応できます。システムの規模に応じて、以下の対応策を検討してください。
スケールアップ: サーバの処理能力が不足した場合は、より高性能な仮想サーバプランに切り替えることで対応できます。さくらのクラウドには様々なスペックのサーバが用意されています。
スケールアウト: アクセス増加により、一台のサーバでは処理しきれなくなった場合、ロードバランサを導入し、複数のサーバで負荷分散を行うことで対応します。この際、プライベートセグメントを併用する構成への移行も検討できます。
注意点と考慮事項
シンプルでコスト効率が高い一方、この構成には留意すべき点があります。
セキュリティ: 共有セグメントはパブリックなネットワークに接続されています。ファイアウォール設定や、WAF、IDS/IPSなどの適切なセキュリティ対策を、必ず実施してください。
ネットワーク分離: 高いセキュリティ要件や、他のシステムとの厳密なネットワーク分離が必要な場合は、プライベートセグメントを利用する構成を検討してください。
冗長性: ベーシックな単一サーバ構成では、サーバ障害がサービス停止につながる可能性があります。高い可用性が必要な場合は、ロードバランサと複数のサーバを組み合わせた冗長構成が重要です。