サーバメンテナンスを配慮したセキュアな環境構成
[更新日:2025年09月30日]
さくらのクラウドで「サーバメンテナンスを配慮したセキュアな環境」を構築することは、Webシステムへの不正アクセスや情報漏洩のリスクを軽減するための重要なアプローチです。この構成は、仮想サーバやデータベースへの不必要なアクセスを制限し、安全かつ効率的な運用体制を実現します(図6)。

構成の目的と主なメリット
この構成は、インターネットからの不必要なアクセスを排除し、必要な通信のみを許可することで、システム全体のセキュリティを高めます。主なメリットは以下のとおりです。
インターネットからのアクセスを限定: VPNルータのファイアウォール機能により、Webサーバやデータベースサーバへの直接アクセスを防ぎます。これにより、不正アクセスや脆弱性を狙った攻撃のリスクを大幅に低減できます。
セキュアなネットワークの実現: VPNルータによりインターネットVPNを実装し、管理者や開発者のみがアクセスできるメンテナンス経路を確保します。
低コストでのアクセスフィルタリング: 無料で利用できるパケットフィルタを活用することで、NIC(ネットワークインターフェースカード)へ着信するアクセスを低コストでフィルタリングできます。
主要な構成要素と連携
このセキュアな環境は、さくらのクラウドの以下のサービスを組み合わせて実現されます。
VPNルータ: この構成におけるセキュリティの中核です。ファイアウォール機能によって、管理者・開発者のみがアクセスできるメンテナンス経路を確保します。インターネットVPNを実装することで、外部からのセキュアな接続経路も提供します。
仮想サーバ(Webサーバ): パケットフィルタ機能によりNICへ着信するアクセスをフィルタリングし、インターネットからの直接アクセスを受け付けないようにします。
DBアプライアンス(データベース): 仮想サーバと同様に、プライベートネットワーク内に配置し、VPNルータやパケットフィルタによってメンテナンスアクセスが制限されます。
パケットフィルタ: NICへ着信するアクセスをフィルタリングできる無料の機能です。グローバルIPアドレスへのアクセス制限を低コストで簡単に設定できます。
運用におけるベストプラクティス
この構成を維持し、効率的なメンテナンスを行うためのポイントは以下のとおりです。
アクセス制御の徹底
VPNルータのファイアウォール機能とパケットフィルタを最大限に活用しましょう。インターネットからのアクセスを限定することで、管理・開発者のアクセスをセキュアに保ちます。必要な通信のみを許可する設定を徹底してください。
VPN接続の活用
管理者は、VPNルータに実装されたインターネットVPNを利用し、セキュアなネットワーク経由でシステムへ接続します。これにより、どこからでも安全にサーバのメンテナンスや作業を行うことが可能になります。
コストの理解
共有セグメントやパケットフィルタは無料で利用できるため、全体的なコストを抑えつつセキュリティを強化できる点を理解しておくことが重要です。