ファイルサーバをクラウド環境にする最小構成

[更新日:2025年09月30日]

さくらのクラウドでファイルサーバを構築する最小構成は、オンプレミス環境のファイルサーバをクラウドへ移行したい場合に有効なソリューションです。この構成は、容量に応じた月額で利用できるNFSアプライアンスを核とし、柔軟なファイルサーバ運用を可能にします(図7)。

図7:ファイルサーバをクラウド環境にする最小構成

構成の目的と主な利点

この構成は、オンラインストレージサービスの制限を受けずに、ファイルサーバをクラウド化し、効率的なデータ管理を実現することを目的としています。主な利点は以下のとおりです。

  • オンラインストレージサービスの制限からの解放: サーバ環境をクラウド化することで、オンラインストレージサービスが持つ容量や機能の制限を受けずに、より自由にファイルサーバを構築・管理できます。

  • NFS接続による高い柔軟性: NFS接続により、ファイルサーバ環境が分離・再構成しやすい状態になります。

  • 簡単な操作と再構成: クラウド環境のため、コントロールパネルやAPI経由で操作できます。ストレージの追加接続や削除など、再構成も簡単に行えます。

  • 月額利用とユーザ数課金なし: 月額での利用が可能であり、ユーザ数による課金は発生しません。

主要な構成要素と連携

「ファイルサーバをクラウド環境にする最小構成」は、以下のさくらのクラウドのサービスを組み合わせて実現されます。

  • 仮想サーバ(ストレージサーバ): ファイルサーバとしての機能を提供する主要なサーバです。

  • NFSアプライアンス(データ保管用ストレージ): ファイルデータの保管に特化したアプライアンスで、NFS接続を通じて仮想サーバから利用されます。

  • VPNルータ(VPN接続用): 社内環境とクラウド上のファイルサーバとの間でVPN接続を確立するために利用されます。これにより、社内ネットワークとクラウド環境が同等のネットワークとして連携します。

  • スイッチ(プライベートネットワーク用): 仮想サーバとNFSアプライアンスを接続するプライベートネットワークを構築するために利用されます。

運用におけるベストプラクティス

この最小構成を効果的に運用するためのポイントは以下のとおりです。

NFSアプライアンスの計画的な利用

データ保管用ストレージとしてNFSアプライアンスを利用する際は、必要な容量プランを選択し、計画的に利用しましょう。NFSアプライアンスは容量に応じた月額で利用できます。

VPN接続の確立と管理

VPNルータを利用して社内ルータとVPN接続を確立し、セキュアなネットワーク環境を維持します。これにより、インターネットを経由せずに安全なデータアクセスが可能になります。

ライセンス費用とOSの考慮

サーバOSをWindowsとする際は、別途ライセンス費用が必要となる点に注意してください。OSの選択によって、全体のコストが変動する可能性があります。