データベース クラスタ機能
[更新: 2025年12月24日]
概要
データベースクラスタ機能では、Galera Clusterを用いた同期レプリケーション型クラスターを3台のデータベースノードで構成する機能を提供してます。 この機能により、いずれか一つのデータベースノードが収容されているサーバが停止してもデータベースクラスタ全体としては動作を継続することができ、耐障害性を向上させることが可能となります。 それぞれのデータベースノードは各ゾーンに1台ずつ配置することが必須となります。各ゾーンに配置されるデータベース間の接続は「利用前の準備、必要なもの」の項目をご参照ください。
料金
料金については サービスサイト をご確認ください。
仕様
対応データベースエンジン/バージョン |
MariaDB 11.4 |
ディスクサイズ |
100GB |
必要IPアドレス数 |
3つ |
接続先 |
スイッチのみ |
バックアップ先 |
同等容量程度のNFSアプライアンスを別途作成していただく必要があります。 |
提供ゾーン |
石狩第1ゾーン |
利用ソフトウェア |
MariaDB , Galera Cluster |
同期方式 |
マルチマスター(Active-Active)型 同調レプリケーション |
本サービスの強み
Galera Cluster 用いた同期レプリケーション型クラスターにより、高い可用性と自動フェイルオーバー相当の動作を実現しています。データノードを物理的に離れたゾーンに配置することで災害対策の強化を見込めます。
1ノードに障害が発生した場合でも、残存ノードによりクラスタが稼働します。
クライアント/アプリケーションからのアクセスをロードバランサー機能と併用することで負荷分散を行えます。
注意
・作成時に選択したデータベースエンジン、CPU/メモリプランなどは作成後に変更することはできません。
・レプリケーション(リードレプリカ)は設定することはできません。
・クラスタ機能を有効化したデータベースアプライアンスは クローン機能を利用することはできません。
利用方法
利用前の準備、必要なもの
本機能を利用するにあたって、事前に以下の準備が必要になります。
名称 |
説明 |
サービスプリンシパル |
自動処理、ステム連携に必要な認証情報、認証手段です。 |
スイッチ |
L2スイッチとして、ローカルネットワークを構成します。各ゾーンに1個ずつ必要です。既存のスイッチの契約があれば、その契約を活用できます。 |
ブリッジ |
各ゾーンにあるL2スイッチ同士を接続させる機能。 |
以下の契約や準備すると負荷分散、可用性を高めたり、バックアップ機能を利用できます。
名称 |
説明 |
ロードバランサー |
上記のL2スイッチと合わせ負荷分散が可能です。 |
NFSアプライアンス |
バックアップ機能を利用する際に必要です。バックアップの保存先は、DBアプライアンスと同じ容量以上を推奨します。 |
利用目的、利用用途に合わせて使い分け、設定を行ってください。
利用手順
サービスプリンシパルを発行します。 マニュアル をご確認ください。 さくらのクラウドホームからIAMポリシータブを選択肢、作成したサービスプリンシパルに"リソース閲覧", "作成・削除", "設定変更", "電源操作"のロールを付与します。
ノードを用意したいゾーンごとにスイッチを作成してください。すでに利用中の環境があればそれを活用できます。 またスイッチ内のサーバやネットワーク機器のIPアドレスを事前に把握しておき、このあと設定する際のIPアドレスと重複しないようにご注意ください。
作ったスイッチを紐づけたブリッジを作成してください。すでに利用中の環境があればそれを活用できます。
データベースクラスタ機能を利用する際に、表示される項目は以下の通りです。
対応データベースエンジン * |
MariaDB が表示されます。 |
データベースバージョン * |
11.4 が表示されます。 |
仮想コア * |
アプライアンスに搭載したいCPUコア数を選択します。 |
メモリ * |
アプライアンスに搭載したいメモリ数を選択します。 |
ディスクサイズ * |
アプライアンスに接続するディスクのサイズを選択します。 |
暗号化 |
ディスク暗号化を有効化します。 |
デフォルトユーザ名 * |
同名のユーザ名、データベースが作成されます。 |
パスワード * |
デフォルトユーザ名のパスワードを入力します。 |
DBノード * |
ブリッジ接続を選択します。#1~#3に対応するスイッチ、IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイを入力や選択します。 |
ポート番号 |
接続のためのポート番号を入力します。024〜65535 の範囲の整数で指定してください 省略した場合は、3306番ポートとなります。 |
ロードバランサ |
負荷分散のために利用するロードバランサを選択します。 |
サービスプリンシパル ID * |
サービスプリンシパルIDを入力します。 |
ディスクサイズ * |
アプライアンスに接続するディスクのサイズを選択します。 |
送信元ネットワーク |
192.168.0.0/24 の形式で入力してください。ENTERキーで追加。 |
バックアップ |
8世代まで管理されます。世代数が8を超えた場合、古いバックアップから削除されます。 |
モニタリングスイート |
モニタリングスイートと連携を行うと監視が行えます。 |
名前、説明、タグ、アイコン |
接続ごとに分かりやすい名前や説明などの情報を付与することができます。 |
(*)を記載している内容は、入力が必須項目です。
リソースの作成処理には時間がかかります。
電源操作など控えていただき、ステータスが起動表示になるのをお待ちください。
詳細画面
データベースの情報が確認できます。右下の「編集」ボタンをクリックすることで名前/説明/タグ/アイコンの各情報を編集することができます。
「情報」タブ
データベースの情報が確認できます。右下の「編集」ボタンをクリックすることで名前、説明、タグ、アイコンの各情報を編集することができます。
「設定情報」タブ
データベースの設定が確認できます。設定の有無、各設定などの有効状態を確認できます。
「パラメータ設定」タブ
RDBMSに設定するパラメータを変更可能です。変更したいパラメータ行右側の鉛筆アイコンをクリックし、設定値を入力します。 パラメータ名はRDBMS設定ファイル内の設定名に対応します。詳細は各RDBMS開発元のドキュメントを参照ください。
「モニタリングスイート」タブ
サービスの監視に関わるモニタリングスイートの設定に関するタブです。「モニタリングスイート連携機能」をご参照ください。
ログルーティングを設定することで、モニタリングスイートへログを連携できます。
メトリクスルーティングを設定することで、モニタリングスイートへメトリクスを連携できます。
バックアップ機能について
データベースアプライアンスでバックアップ機能を有効にした場合、お客様が用意したNFSアプライアンスへバックアップする方式となります。
バックアップ先NFSの設定
新規作成画面で「バックアップする」を選択していただくと、バックアップ先のNFSを指定するフィールドが表示されます。 バックアップの対象のノード、バックアップ先、バックアップ感覚、実行する時間帯を選択できます。
バックアップからのリストア手順
バックアップは冗長化機能を使用しないプランと同様、世代管理やリストアはアプライアンス側で管理され、操作も同様の手順で行うことが可能です。詳細については こちら を参照ください。
電源操作について
コントロールパネル、APIから電源操作が可能です。データベース(クラスタ)の電源状態を操作します。 電源を操作すると、全ノードが処理を受けて電源状態を変更します。全ノードが共通の処理になり、1ノードのみ、2ノードを対象にするなどの操作は行えません。
反映について
パラメータ設定タブにて、設定項目を反映させるために利用します。 反映すると設定前に戻せません。ご注意ください。
モニタリングスイート連携機能
モニタリングスイートは、システム監視を行うためのプラットフォームです。さくらのクラウド・その他のクラウド・オンプレ等の多様な環境を一元管理し、可視化することができます。 モニタリングスイートの詳細については モニタリングスイート をご参照ください。
データベース(クラスタ)の注意事項
本サービスは冗長化、高可用性を保つことを務めますが、さくらのクラウドのメンテナンス、障害の影響を受けます。
特定のノードに障害が発生した場合、データベースのアクセスには影響うけます。データベースが復帰後、再同期が実行されます。
特定のノードが障害が発生した場合に、影響受けないような構成を考える場合は、ロードバランサーアプライアンスをご利用ください。
2ノードが障害になり1ノードが残った場合は、読み込み/書き込みが停止します。
ブリッジ接続からスイッチを切断するとサービスを維持できません。
サービスプリンシパルに付与したIAMロールを削除した場合、本サービスの操作が不能になります。
バックアップファイルの世代管理や古いファイルの削除などの管理作業はデータベースアプライアンス側が自動的に行うため、NFSサーバ内での直接の操作は行わずコントロールパネルより行ってください。
NFSのバックアップファイルを削除する、バックアップファイルを改変した場合、復元できません。
データベース(クラスタ)でサポートするストレージエンジンはInnoDBのみになります。
Primary Keyなしのテーブルは作成できません。制約事項、注意事項は Galera Cluster Known Limitations をご参照ください。