DHCP設定、DNSフォワーディングサーバ機能の設定

[更新: 2024年8月29日]

DHCP設定

VPCルータのDHCP機能の設定方法についての説明です。

1. DHCP機能の概要

DHCP機能は、プライベート側(VPCネットワーク側)のサーバにDHCPプロトコルを使用して自動的にネットワーク設定を行うことができる機能です。

VPCルータではプライベートインターフェースごとにDHCPサーバを動作させることができます。また、スタティックマッピング機能を利用することにより、特定のMACアドレスのサーバに固定的にIPアドレスを割り当てることが可能です。

2. DHCPサーバの有効化

設定したいVPCルータの設定画面より、「DHCP・DNS」タブ※→「DHCPサーバ」タブを選択します。DHCPサーバが有効化されているインターフェースの一覧が表示されるので、新たにDHCPサーバを有効化したいインターフェースを追加する場合は「追加」ボタンをクリックします。

※ VPCルータ バージョン1では「DHCP」タブとなります

DHCPサーバタブから追加ボタンをクリックする

DHCPサーバ設定画面が表示されるので、各設定項目に情報を入力します。

各設定項目に情報を入力する
対象インターフェース DHCPサーバを有効化したいプライベートネットワーク側(VPCネットワーク側)インターフェースを選択
動的割り当て範囲(開始) DHCPサーバが割り当てるIPアドレス範囲の開始IPアドレスを入力
動的割り当て範囲(終了) DHCPサーバが割り当てるIPアドレス範囲の終了IPアドレスを入力
DNSサーバ DHCPサーバが割り当てるDNSサーバのIPアドレスを入力(複数個入力可)
DNSフォワーディングサーバ機能を有効にした場合、VPCルータのアドレスを設定することも可能です。

※DNSサーバ以外は入力必須項目となります(DNSサーバが空欄の場合、弊社が提供するDNSサーバ「133.242.0.3」、「133.242.0.4」が適用されます)

設定が完了するとリストに追加されます。作成済みのエントリはリスト右側の鉛筆アイコンで編集、削除アイコンで消去が行えます。

鉛筆アイコンで編集、削除アイコンで消去が可能

※DHCPサーバ設定の追加・変更・削除を行った場合、「反映」ボタンをクリックしVPCルータ側への設定反映が必要となります(VPCルータが起動状態の場合でも、電源をシャットダウンすることなく「反映」ボタンのクリックで設定が反映されます)。

3. スタティックマッピング設定

設定したいVPCルータの設定画面より、「DHCP」タブ→「スタティック割当」タブを選択します。DHCPサーバが有効化されているインターフェースの一覧が表示されるので、新たにDHCPサーバを有効化したいインターフェースを追加する場合は「追加」ボタンをクリックします。

スタティック割当タブから追加ボタンをクリックする

スタティック割当画面が表示されるので、各設定項目に情報を入力します。

各設定項目に情報を入力する
MACアドレス スタティックマッピング対象となる仮想サーバのMACアドレス
割当IPアドレス 「MACアドレス」欄で指定した仮想サーバに割り当てるIPアドレス

※いずれも入力必須項目となります
※DHCPサーバが有効化されているすべてのインターフェースで共通の設定となります
※最大100エントリまで設定が可能です

設定が完了するとリストに追加されます。作成済みのエントリはリスト右側の鉛筆アイコンで編集、削除アイコンで消去が行えます。

鉛筆アイコンで編集、削除アイコンで消去が可能

※DHCPサーバ設定の追加・変更・削除を行った場合、「反映」ボタンをクリックしVPCルータ側への設定反映が必要となります(VPCルータが起動状態の場合でも、電源をシャットダウンすることなく「反映」ボタンのクリックで設定が反映されます)。

[参考] サーバ側の設定方法

参考情報として、RHEL系のOSでDHCPサーバからのネットワーク設定を行う方法は以下の通りです。

1. ネットワーク設定ファイルを編集

DHCPからのネットワーク設定を行いたいインターフェースのネットワーク設定ファイルを編集し、DHCPからネットワーク情報を取得するようにします。

eth0インタフェースの場合は/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルを以下のように編集します。

DEVICE=eth0
BOOTPROTO=dhcp

2. ネットワークサービスを再起動

ネットワークサービスを再起動し、DHCPサーバからネットワーク情報を取得します。

# systemctl restart NetworkManager

※これまでのネットワーク設定が変更されるため、SSHなどで接続している場合は接続ができなくなる場合があります

DNSフォワーディングサーバ機能の設定

VPCルータのDNSフォワーディングサーバ機能の設定方法についての説明です。

DNSフォワーディングサーバ機能はVPCルータ バージョン2のみで利用できます。

1. DNSフォワーディングサーバ機能の概要

VPCルータでは、プライベート側(VPCネットワーク側)向けにDNSのキャッシュサーバを提供する機能です。

仕様

上位DNSサーバの指定 キャッシュになかった場合の問い合わせ先として、上位DNSサーバを2つ指定可能
最大キャッシュサイズ 10,000 エントリ
ネガティブキャッシュ時間 3,600 秒
上位DNSサーバで名前解決結果を得られなかった際、その情報を保持する時間

2. DNSフォワーディングサーバ機能の有効化

設定したいVPCルータの設定画面より、「DHCP・DNS」タブ※→「DHCPサーバ」タブを選択します。

DNSフォワーディングサーバ機能を有効にする場合は「編集」ボタンをクリックします。

編集ボタンをクリックする

DNSフォワーディングサーバ設定画面が表示されるので、各設定項目に情報を入力します。

各設定項目に情報を入力する
有効/無効 DNSフォワーディングサーバを動作させるか選択します
対象インターフェース DNSフォワーディングサーバを動作させるプライベートネットワーク側(VPCネットワーク側)インターフェースを選択
※有効/無効にて「有効」を選択すると表示されます
DNSサーバ 上位DNSサーバのIPアドレスを入力(2つ入力可)
※有効/無効にて「有効」を選択すると表示されます

※DNSサーバ以外は入力必須項目となります(DNSサーバが空欄の場合、弊社が提供するDNSサーバ「133.242.0.3」、「133.242.0.4」が適用されます)

「更新」ボタンをクリックすると、DNSフォワーディングサーバの設定が表示されます。

DNSフォワーディングサーバの設定表示

※DNSフォワーディングサーバの設定変更を行った場合、「反映」ボタンをクリックしVPCルータ側への設定反映が必要となります(VPCルータが起動状態の場合でも、電源をシャットダウンすることなく「反映」ボタンのクリックで設定が反映されます)。

[参考] 名前解決の確認

プライベートネットワーク側に接続したサーバより、名前解決を行い動作確認をする例になります。

$ dig example.com @192.168.10.254

; <<>> DiG 9.11.26-RedHat-9.11.26-4.el8 <<>> example.com @192.168.10.254
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 51812
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1

;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 4096
;; QUESTION SECTION:
;example.com.                   IN      A

;; ANSWER SECTION:
example.com.            3069    IN      A       93.184.216.34

;; Query time: 20 msec
;; SERVER: 192.168.10.254#53(192.168.10.254)
;; WHEN: Wed Dec 15 16:39:43 JST 2021
;; MSG SIZE  rcvd: 56